会員制店舗のススメ

会員制店舗のススメ

会員制店舗

 

会員制の店舗をつくるメリットは

 

・購入意欲の高い人だけが集まる
・高い確率で売れる
・宣伝に金をかけなくていい
・利益が残る
・質の高いお客様が集まる
・クレームが少なくなる

 

があります。

 

なによりも買わない人間を相手にしなくてすむことが最大のメリットです。

 

巷ではコストコなどの大型スーパー、高級飲食店、高級クラブなど会員制の店舗をみかけます。先日読んだ本田直之さんの「オリジナリティ 全員に好かれることを目指す時代は終わった」にも会員でなければ予約できないレストランが紹介されていました。

 

飲食店のように店に入って何も注文しなければ5分といられない業種とちがい、買う気がなくても買わなくても何時間と居座ることができてしまうホビーショップこそ会員制にすべきと考えます。

 

もちろん扱う商品や顧客となるお客様の年齢にもよりますが、扱っている商品と品ぞろえに自信があり、明らかな冷やかしや暇つぶしをあなたが相手にしたくなければ会員制店舗はひとつの選択肢です。

 

 

 

【限定市場の買うお客様と買わないお客様の違い】

 

オートバイ

 

わたしは美少女フィギュア専門店・限定市場を10年間経営しています。

 

この10年で、わたしの店で美少女フィギュアを買うお客様と買わないお客様の違いに気がつきました。

 

まず美少女フィギュアを「買うお客様」の特徴は以下になります。

 

・1人で来る
・オートバイまたは自動車で来る
・男性
・30歳以上の会社員(正社員でなくても働いている)
・新規の方はたいていすぐに買って出ていく
・店のルールやマナーを守る
・おとなしい

 

友達や家族に美少女フィギュアを買ったのをバレるのが恥ずかしいこともあるのかもしれませんが、ほとんど1人でやってきます。おとなしく静かに来て、だいたい10人来たら、うち3人は買います。そして女性はまず1人で来ません。さらに女性は100人来て、1人買えばいいほうです。

 

一万円以上する製品を買う経済力がある証にオートバイまたは自動車で来店されます。オートバイは店頭の歩道におきますが、自動車は大型商業施設(一時間無料)の駐車場にとめて歩いてきます。商品の受け取り以外で店の前に自動車を駐停車するマナーの悪い人は1人もいません。

 

次に買わないお客様(買わないのにお客様?)の特徴です。

 

・男性同士または女性同士が複数人でやってくる
・カップル
・年齢はさまざまでも、若いほど買わない
・60歳以上のお年寄りも買わない
・店の前に平気で違法駐車、または停車する
・店に入る前から騒がしい
・「何を買おうかな!」と景気のよいことを口にしながら入ってくる
・店内でも騒ぐ、はしゃぐ
・飲食物など平気で持ち込む
・店内でスマホや携帯を操作する、会話をはじめる
・商品を手荒に扱う、売り場を荒らす
・大きいリュックを背負っている
・大きいバッグを持ちこむ
・イヤホンをして音楽を聴いている
・店内で「高い」「金がない」「置く場所がない」と文句や買えない言い訳を口にする
・だらだらと長居する
・ドアの開け閉めを静かにしない、しっかりと閉めないで帰る
・わたしが売り場に出ていくと、売り込みもしていないのにそそくさと帰る

 

男性2人組の場合、10組のうち8組は買いません。うち1/3は店内で文句や買えない言い訳を口にします。どちらか1人が買うのが1組か2組。両方が買うのは1組いればいいほうです。女性の2人組はまず来ませんが、来ても買うことはほとんどありません。男女のカップルもほとんど冷やかしです。

 

男女ともに人数が多くなればなるほど買いません。1人だとおとなしいのに人数が増えると気が大きくなるのでしょう。誰かが買うだろうから俺は買わなくてもいいと考えてしまうのかもしれません。人数が多くなると、一人では入れない買う覚悟もない人間が平気で店に入ってきます。

 

2人組のうち、1人がやたらと質問を繰り返したり、愛想のいい場合も注意が必要です。会計の時に店員の注意をひきつけて万引きする恐れがあります。

 

そこで当店はアダルトショップではありませんが、開業して9年目に「18歳未満入店禁止」にしてみました。最初のころは明らかに年齢を誤魔化したグループがぞろぞろと入ってきて買わないので、人数制限もつけ「2名まで」としました。

 

それでも営業日は明らかに買わない冷やかし客との戦いです。今後は18歳未満入店禁止、入店は1名までとしてみます。

 

天然とんこつラーメンで有名な一蘭。ラーメンを食べる時、個別に板で区切られた「味集中カウンター」に座らされます。たとえグループやカップルで入っても、食べるときは一人で食べなければいけません。

 

入るのにお金がかからないホビーショップだからこそ、商品を見るときくらい本気で見る人だけに入店していただきましょう。

 

 

 

【付き合いたいお客様とだけ付き合おう】

 

学生

 

お店をはじめたばかりの頃は「とにかく売らなければ」「誰かに来てほしい」と考えがち。

 

常連でもない冷やかし客の「○○があればいいのに」という無責任な意見に心が揺れ、流行の商品を追いかけたりします。

 

すると、いつもにぎやかだけど金のない子供のたまり場になって店は占拠され、万引きやキャンセルが多くなります。もともといた上客は静かでなくなったあなたの店から離れて寄り付かなくなります。

 

売上のために自分が好きでもない、良いとも思わない商品を仕入れ、付き合いたくない客と付き合う。そこにあなたが夢みていたホビーショップの姿はありません。

 

あなたがしたいことは何でしたか。本当にあなたが付き合いたいお客様は誰ですか。

 

大手チェーン店ならお客様を選ぶことはできないかもしれません。けれど、あなたのお店です。あなたはあなたが付き合いたいお客様とだけ付き合えるのです。付き合うべきです。

 

 

 

【会員制店舗のつくりかた】

 

年齢制限

 

会員制店舗の作り方は簡単です。まず、あなたが「本当に付き合いたいお客様とだけ付き合う」と覚悟を決めること。

 

あとは、やり方もいろいろ。開業から数年の個人店の場合、常連さんは50人もいません。一人店長でお金をかけたくなければ顔パスだっていいんです。そのかわり、新規は常連さんが連れてきた人だけを入店させます。会員カードは自分でパウチして作ります。

 

いきなり会員制は難しいよ・・・。それなら、わたしのように徐々に実験しながらお客様を選んでいきましょう。買うお客様だけに絞るのです。

 

基本は「無料をやめる」。あなたの店は他店とちがい、冷やかしや暇つぶしが簡単にできないことをわかってもらいましょう。

 

カードショップであれば、デュエルスペースは時間制または購入制にします。たとえ1時間100円でも代金をいただきます。ミリタリーショップまたは美少女フィギュア専門店のように1万円以上する製品や購入年齢制限がある商品を扱っているのなら、18歳未満入店お断りにすると一気に冷やかし・万引きが減ります。

 

会員制店舗にしなくても無料をやめるだけ、年齢制限をつけるだけで客質はあきらかに向上します(キッパリ

 

黒服

 

あとは大人数(グループ)での入店をさせないこと。東京の秋葉原、大阪の日本橋のような大手ならともかく、個人のホビーショップに大勢でやってくるのは観光客以外、100%冷やかしか万引きだと思ってください。

 

同時に大きなリュックを背負ったり、大きなバッグの持ち込みも禁止します。

 

3人組になるとほとんど買わなくなるので、まずは2人から人数制限をはじめます。理由は「店内が狭いから」「お客様の安全のために」で通します。それでも大人数で入りたがるようなら全員お帰り願いましょう。どうせ入れても買いません。

 

入場制限をつけてから、わたしのストレスはかなり減りました。

 

ホビーショップ店主のストレスは「人が来ない」「売れない」ことではありません。それは本人の努力不足だから。本人が反省し、改善し、努力して解決すべき問題です。

 

そして「明らかに買わない人間ばかりが店に集まってしまう」のを放置することもあなたのせいです。

 

なにより売れないだけでなく、買わない人間を相手にして時間が奪われることで二重に疲弊します。心が折れてしまいます。

 

あなたは買わない人間100人に大切な時間を奪われ、売上0円で終わって1日が楽しいですか。わたしは買うお客様が1人きて、売上1万円のほうが断然、疲れないし楽しいですよ。

 

 

 

【VIPルームやVIP席をつくる】

 

カードショップ

 

ディスコやクラブにはVIP(ビップ)ルームがあります。これは店でお金をたくさん使ってくれる優良顧客、お店に来ることで店の評判や格があがる芸能人やモデルしか入れない特別な部屋のことです。

 

カードショップのように新規客や常連が同じテーブルで遊ぶ場合、一部だけでもVIP席を設けましょう。個室があればVIPルームにします。

 

なにより金を払わない、店に金を払ったら負けと考えるような乞客は人としての質が低くマナーも悪いため、常連様と同じ空気を吸わせない工夫を店側はすべき。

 

この方法なら、お金もかからず常連様を優遇することが可能です。

 

 

 

【常連様・感謝デーの取り組み】

 

感謝祭

 

いきなり会員制にするのは難しい。大変だよ。その気持ちわかります。確かに会員制を実施するには勇気も努力も必要です。

 

でも忘れないでください。マニア向け、ニッチな商品であればあるほど一般客は思い切って切る必要があることを。いくら買わない人間ばかり100人集めても売れないことを。

 

あなたの扱う商品を心から欲しがる1人がいて、その人がくれば売上は発生するのです。

 

会員制はハードルが高すぎる。そこで、わたしの店で実験している「常連様・感謝デー」をお教えしましょう。文字のごとく、常連様に感謝する営業日のことで、その日は常連様しか入店をさせません。

 

冷やかし、一般客、他店のスパイといった「店に入るけれど買わない」人間を入口でシャットアウトします。

 

もちろん、あなたの店で買ったことはないけれど何かを探している、○○があったら欲しい、買うという人もいます。そこで入店時に冷やかしでないことをアピールしてもらいます。

 

「アルターのプラフタの在庫はありますか」
「SAOのアスナ。できればキャラアニ製を探しています」
「オーキッドシードのチアガール・そに子が欲しい」

 

のように。ここで重要なのは具体的なメーカー名やキャラクター名を告げてもらうこと。「水着のフィギュアが欲しい」といった抽象的な内容では不合格です。

 

○○があったら買う。
○○を探しています。
○○が欲しくて来ました。

 

具体的かつ購入が可能な商品名、キャラクター名を挙げた人だけ入店させます。超人気で入手困難なもの、再販されずプレミアが付いているもの、あなたの店に在庫がない場合も入店をお断りします。

 

もちろん、まだ発売されていない商品も・・です。

 

そうしないと「とりあえず何か告げれば店に入れてもらえる」と考える人間が必ずでてきます。常連様・感謝デーを成功させるには、徹底的にやらなければいけません。

 

なお常連様・感謝デーはいつ実施してもかまいません。本当に冷やかしに悩まされているなら、毎日実施したっていいのです。

 

無料であなたの店を宣伝する。時間はたった2分【エキテン】

 

 

 

>>売れる販売員は伝わる言葉を使っている