ホビーの特性を考えた仕入れ方
ここでは、ホビー商品に共通する特性(そのものだけがもつ性質)をお教えします。
ホビーの特性を知っているのといないのとでは、仕入れや販売の結果がまったく変わってきます。
【発売延期は当たり前】
ホビーにありがちなのが発売延期。ホビーは本やDVD、CDのように発売日がハッキリと公表されません。
フィギュアのポスターを見ても「2017春・発売」「2017 SPRING ON SALE!!」などになっています。
延期の理由は
・ホビーの多くが中国で作っていること
・生産スケジュールの遅れ
・船で運んでいる
・通関のトラブル
・製品が届いて検品したら不具合がみつかった
・大人の事情
などがあります。
予約を受けるときは、発売日が遅れる可能性があることをお客様に伝えます。
フィギュアに関しては、発売月に出たらラッキーくらいのつもりでいましょう。
メーカー社長さんの話によれば、スケールタイプのフィギュアは商品開発から完成までに一年。デフォルメタイプでも半年間かかるとのこと。アニメ放送中にフィギュアを発売するのが難しいわけです。
【キャンセルを甘く考える人が多い】
某大手ネット通販が、ある程度のキャンセルを認めているためか、ネット通販やリアル店舗でも「いらないからキャンセルすればいいや」と考える人間が多くいます。
わたしたち小売店は、問屋からホビーを買い取っています。よほど不良品や不具合がなければ返品することもできません。たとえ、美少女フィギュアの顔がサンプルと違っても・・です。
キャンセルされると商品は在庫になり、経営を圧迫します。自分で仕入れたものなら我慢もできますが、他人のせいで在庫になったら悲しすぎます。
信用できる常連さん以外から予約を受ける場合、キャンセル回避のために全額前金制にしましょう。
【受注生産について】
フィギュアに多いのが受注生産。
予約開始から1か月間ほどのあいだに予約を受け、問屋に集まった予約分の数量をメーカーが必ず生産してくれます。本当にその商品を欲しいひとに行きわたりやすい予約方法です。
ただし、予約が集まった数をすべて作るため、売れると考えた個人や小売店が大量に注文すると発売後に余る場合があります。
受注生産では、売れると予想する人が多ければ多いほど。予約した人が多ければ多いほど、発売後に余りまくる、値崩れするリスクが高まります。
たまに「転売」「レア」「プレミア」といったタイトルがついたブログで、予約が開始したばかりの受注生産フィギュアを「プレミア期待!」「前作プレ値!」「プレミア率100%!」などと煽って予約させているのを見かけます。
宝石のダイヤモンドの価値が高いのは数が少ないから。道端に転がっている石ころのように、いつでもどこでも誰でも手に入るものに価値はありません。
自分で予約を煽るだけ煽り、生産数を増やして相場を崩す。まるで自分で放火して自分で消すマッチポンプ。
本当に自分で仕入れている、売っている人間なら、絶対にそんなことはしません。ネット上には詐欺師がいっぱい。騙されないようにしてください。
【受注期間を過ぎたら予約できないか】
予約開始から一か月程度の受注期間を設けるのが「受注生産」です。では、受注期間を過ぎたら予約できないのでしょうか。
いいえ。実はメーカーならメーカー在庫。大手ネット小売店なら自分のところで売る分も注文しています。
問屋と小売店を兼務したネット小売店でも、発売後の不良品に対応するための不良品対応分があります。
キャンセルを認めている通販会社のキャンセル分も出てくる可能性がないとは言えません。
【割り振り販売】
バンダイコレクターズ事業部のフィギュアをはじめ、アゾンのドールなどに多いのが割り振り販売。
メーカーが「この商品は1000個作ります。欲しいのなら早い者勝ち。みんなで奪いあえ!」という販売方法です。
人気のある商品ほど、小さい店は減数(数を減らされる)されたり、入荷がゼロなんてこともしょっちゅう。
お客様から予約を受けて問屋に発注をしたけれど、減数されて入荷数がゼロ。予約を受けたのにお客さまに商品を渡せない・・・なんてことのないよう注意が必要です。
【再販について】
再販(さいはん)とは、再販売や再生産のこと。同じものを作ること。
再販も受注生産であることが多く。
なお、一度買った人は同じものを買わないので、再販が繰り返されると欲しいひとがいなくなります。結果、在庫が市場に余ることも。
フィギュアやプラモデルの場合、すでに金型が存在します。メーカーは新たに金型を作る必要がなく、再販するたびに利益があがります。
そのため、カラバリを含めた再販を繰り返すメーカーもあります。
わたしの経験からいえば、美少女フィギュアは再販を繰り返すたびに売れなくなる、発売後に安くなる可能性が高いと感じています。
【再販されないと価値があがる物もある】
ホビーは本やCD、DVD、ゲームソフトのように簡単に再販されません。フィギュアメーカーの中には再販をほとんどしないところもあります。
なくなれば欲しくなる。価値が上がる物もあります。
もちろん、再販されないからといってすべてのホビーの価値があがるわけではありません。
【カラバリ】
カラーバリエーション(色違い)の意味。
同じものをそのまま再販しても数量が売れないと考えるメーカーが、髪の毛や衣装の色、表情を変えたものを売ること。
同じ原型でフィギュアをカラバリ再販する場合も金型がすでにあるため、つくるメーカーも利益を上げやすい。
【サンプルと実物が異なる】
わたしはゲームセンターの景品(プライズ)フィギュアをサンプル画像でなく、絵で予約をしたことがあります。結果、届いたら別人だった・・なんてことも。
美少女フィギュアは、発展途上にある製品です。しかも次から次に新しいメーカーが参入してきます。
技術もセンスもないへっぽこメーカーが、アルターやグッスマのような一流メーカーに勝てるはずもありません。
フィギュアを予約するときは、信用できるメーカーであること、サンプルからの劣化が激しくないメーカーであること等、厳しい仕入れ基準をもちましょう。
【フィギュアが一番売れるのはアニメ放送中】
フィギュアにかぎらず、ホビーが一番売れるのはアニメ放送中です。
ファンの数が増え、フィギュアやアニメグッズが欲しいひとはお店にやってきます。
最近では、アニメの放送中に発売されるフィギュアも増えました。
ただし、アニメ放送が終わると作品によっては悲惨なことになります。
たとえば、おそ松さん。
アニメ放送中はグッズも少なく、人気の商品は即売り切れでした。ところがアニメ放送が終わるやいなや、あっという間にグッズが残り、いろいろなところでグッズの特売が開始したのです。
他にも、らきすた、けいおん、ハルヒ、ひだまり、なのは、まどか・・・等。アニメ放送が終わると、とたんに関連商品が売れなくなりました。
原作漫画の連載が終了した。アニメの続編が放送される可能性が低い。このような作品のグッズの仕入れには要注意。
逆に考えれば、アニメ1期放送後に発売されたグッズを安く仕入れ、アニメ2期放送時に売る方法もあります。
【ランキングに騙されない】
ホビーの予約が開始すると、Amazonやあみあみの売れ筋ランキングの順位があがります。
売れている、人気のある証拠ではありますが、ランキングの特性に騙されないようにしましょう。
たとえば、バンダイコレクターズ商品は割り振り制。
本当に人気のある商品はどのネットショップでもすぐに売り切れ。誰も予約できないのでランキングから姿を消します。
まだ売り切れないから予約ができる。受注生産でランキング上位にいるホビーを「ランキング上位だから・・」という理由でショップが仕入れると、発売後にダダ余りで売れない、値崩れするトラブルに巻き込まれることもあります。
【予想外の出来事で突然売れることもある】
ホビー。とくにプラモデルやフィギュアは予想外の出来事で突然売れることがあります。
フィギュアならキャストオフ(脱衣)。洋服のパーツが外れること。
プラモデルなら、まどタス(まどかタイタス)のように異なるホビーとパーツ換装できることが分かると突然売れ、市場から姿を消したりします。
【個人のトレカショップの仕入れ方法】
個人のトレカショップ経営者さんのツイッターから、トレカショップの現状や仕入れ方法などの情報を集めてみました。
・いまだにトレカメーカーは新商品情報や大会結果をFAXで送ってくる(一部ネットあり)
・店への情報よりニコ生のほうが先に情報公開される
・どんな内容になるかわからない状態で仕入れを要求される
・問屋より駿河屋のほうが安い
和歌山のカードショップ喫茶すのめろさんのツイートから引用。
カードショップの裏話だが、問屋で数か月も前になんの情報も無しで売れるか分からん新商品発注するより、ある程度の情報出てから多少掛け率が上がってるとはいえ駿河屋で注文した方が安全というね。場合によっては問屋と駿河屋の掛け率変わらないっていう爆発的意味の分からなさあるからね。
フィギュアもサンプル画像を頼りに予約しなければなりません。そのため、サンプルからの劣化が激しいメーカーでの予約をわたしは避けています。また発売前にAmazonで予約できず定価超えのフィギュアは人気があると判断し、多少掛け率が上がっていてもあみあみや駿河屋で仕入れることもあります。