ショップの開業資金を作る
【まず開業資金を作ろう】
ネットショップならいざしらず、リアル店舗をオープンするなら資金。つまり、お金が必要です。
お金は黙って待っていても貯まることはありません。意識して貯めるようにしましょう。
明日ではなく今日から始めます。
たとえば、あなたは会社員。給料日に給料が出て、支払いなどしてから余った分だけ貯金に回そうと考えます。けれど、それではなかなか貯まりません。
そこで、給料からの天引きで強制的に貯金します。アルバイトや副業をしてもいいでしょう。
【ホビーショップの開業資金はいくらかかる】
あなたの扱う商品や店舗の場所や面積、家賃によって、開業資金は変わります。いちがいに何百万円とは言えません。
わたしの場合、直接大家さんと交渉して店舗を借りたため300万円ほどでオープンすることができました。
Amazonにて「雑貨 開業」で検索した本を何冊か読みましたが、雑貨屋であれば500万円から800万円程度かかっています。
僕が四十二歳で脱サラして、妻と始めた小さな起業の物語 (自分のビジネスを始めたい人に贈る二〇のエピソード) では、家族との生活資金も考えると、1000万円では十分な金額ではなく、無店舗やネットでのビジネスを始めるくらいの金額と書かれています。
たしかに一億円あれば何度でも挑戦できるでしょうが、一億円貯めるまで開業しないのも現実的ではありません。
一例として、店舗を借りた場合に必要な資金は
・家賃(敷金・礼金など)
・光熱費
・通信費
・商品の仕入れ代金
・家族の生活費(一年分)
を考えると、最低でも500万円は用意したいですね。
【ホビーショップの資格と届出】
雑貨をはじめ、新品のホビーを扱うだけであれば特別な資格は必要ありません。届出も、開業後に税務署、市役所(区役所)に書類を出すだけです。
ただしトレカショップ(カードショップ)の場合、実店舗がないと公認店舗になれないメーカーもあります。また営業日数や売上額、大会の開催日数、新規プレイヤーの獲得人数などによって、お店のランクも決められます。
中古品を扱うのであれば古物商の免許が。アダルト系商品を扱うのであれば、風俗営業の許可が必要になります。
【本当にお店は必要ですか】
現代はインターネットで売る方法が存在します。自宅が職場になるのです。
たとえば
・自社ネットショップ
・Amazon
・ヤフオク
・メルカリ
・楽天
・ヤフーショッピング
・イーベイ
まだまだ売る場所はあります。
わざわざお店を借りなくても、自宅でパソコンとネットに接続できる環境があれば、低資金かつ低リスクで商売ができます。
だいたいリアル店舗をオープンさせても絶対に売れる、やっていけるとは限りません。むしろ売れない可能性のほうが高い。売れても売れなくても、毎月かならず固定費はかかります。
サラリーマンは頼まれた仕事をこなし、勤務時間を過ごせば給料が確実にもらえます。休んでもお金がもらえる有給休暇だってあります。
けれど自営業はそうはいきません。売れなければゼロ。たとえ何時間、働いてもゼロ。客が何百人やってきても、誰も買わなければ売り上げは0円。何時間、接客しても売れなければまた0円です。
ならば、低コスト・低リスクのインターネットで結果を出してから店舗を探すのが一番でしょう。
【お店のメリット・デメリット】
お店を借りる、構えるメリットは
・リアル店舗があれば信用を得られる
・通りすがりのお客様が来る
・ネットで買わない、買えない人が常連になってくれる
・定価で売れる
デメリットは
・売れても売れなくても家賃などの固定費がかかる
・買わない人が暇つぶし、遊びに来る
・一度店を構えたら、そう簡単に移動はできない
です。
【店を出したら終わりじゃない】
商売は商い(飽きない)と言われます。リアル店舗をオープンさせたからといって、商売は終わりではありません。
何かの資格試験に合格して資格を手にしても、使わなければ意味がないのと同じ。自動車運転免許をもっていても、自動車を運転したことがない人だって世の中にはいます。
お店をもち、商品を仕入れ、売っての繰り返し。売れなければ宣伝や集客も必要になります。
一生、あなたは挑戦(試す)、検証、改善する運命になるのです。逆に考えれば、定年を自分で決められるのが自営業のいいところですね。
【店を構えた日から不自由になる】
お店を構え、定休日や営業時間を決めます。そうなったら、お客様のために突然店を休むことはできなくなります。
営業していると思って店に来たら、告知もなく休みだった。これほどお客様をがっかりさせることはありません。
コンビニなら、同じ店にいって目当ての商品が2度ないと、客はその店を利用しなくなるという話もあるくらい。
もちろん、強い台風が迫っているためお客様やあなたが危険。大地震で地域が壊滅的状態といった場合は別ですよ。
それでも、可能なかぎり決めた営業日、営業時間は守るのが商売人です。
【何にでも絶対はない】
世の中に絶対があるとしたら、人は絶対に死ぬでしょうか。
開業にも「絶対に成功する」はありません。
たとえばコンビニエンスストア(コンビニ)。交通量調査など、あれだけ科学的に念入りに調査をしても潰れるところは数年で潰れます。もちろん「駐車場が広い」「立地がいい」といった、もっと良い場所に移転する場合もありますけれど。
現代は昔のように売る方法が限られた時代ではありません。インターネットを使えば、個人でも自宅にいながら日本中、世界中の人と商売が可能です。
そこで、小さく挑戦して小さく失敗してください。リターンは少なくても、ダメージが少なければ、やり直しもできます。
リアル店舗をオープンさせるということは、いちかばちかの一発勝負。
家族を路頭に迷わせるような一発勝負でなく、インターネットで小さな挑戦と失敗を繰り返しながら、成功を積み重ねてください。
一発勝負のリアル店舗をもつのは、それからです。
たとえリアル店舗の売上が0円でも、ネットで生活できる資金が稼げれば不安もないでしょう。
【借金をしての開業は考えない】
ホビーショップの開業資金は、業種ややり方にもよりますが300万円あればなんとかなります。
トレカ販売のプロ・みずおち社長さんは、30坪のカードショップの開業資金は500万円とおっしゃっています。
ただし、この500万円にあなたと家族の生活資金や運転資金は含まれていません。半年から一年の生活資金を加えると、最低でもあと300万円は欲しいところ。
たまに借金をして開業を考える方がいます。わたしはおススメしません。なぜなら開業に絶対はありませんから。
お店を構えたのはいいけれど売れず、家賃などの固定費とともに借金の返済もしなければなりません。借金のダブルパンチ。あなたの貯金はガンガン減っていくでしょう。
それに、500万円も貯められないようでは開業なんて夢のまた夢。
とにかく借金しての開業は考えないこと。金を借りることより、稼ぐこと。売る力をつけることを考えましょう。