クラウドファンディングでグッズ作りを成功させる
頭の中で計画を考えてばかりで、行動に移さない人のいいわけは似ています。
たいていは以下の4つ。
・金がない
・時間がない(忙しい)
・資格がない
・人がいない
です。
金がないなら作ればいい。働いて貯めればいい。どうしても金が必要ならば、親兄弟や親友に借りればいい。親や兄弟、親友さえも説得・納得させることができない。借りることができないあなた。
あなたにないのは、お金ではありません。たんに信用がないだけ。
忙しい、時間がないと口にするあなた。本当に仕事が忙しいですか。無駄な作業をしていませんか。帰宅してすぐにゲームソフトを立ち上げていませんか。気づくとスマホばかりいじっていませんか。
資格がないあなた。資格がなければ取りましょう。どうしても取れなければ、その資格をもっている人に力を借りましょう。雇いましょう。自分にないものは他人に借りればいいのです。
人がいない。親や兄弟、親戚や子供、奥さん、友達はいませんか。いなければネットで探しましょう。どうしたら一人でできるか考えましょう。機械やソフトの力を借りましょう。
○○だから無理。○○だからできない。こうできない理由ばかり探す人は、熱意と行動が圧倒的に不足しています。頭の中で考えて、考えて、考えて、さいごは「○○だから無理」と諦めてしまう小利口な人間にホビーショップの開業はできません。
考えるな!という意味でもありません。まったく考えない馬鹿の開業は失敗します。ある程度は考えたら行動に移せってこと。
ここでは「クラウドファンディング」による、あなたのお店だけのオリジナル商品(グッズ)作りについて説明をします。
【クラウドファンディングとは】
クラウドファンディングとは、群衆(クラウド)から資金調達する(ファンディング)の意味があります。
おもにインターネットを使って不特定多数の人から資金を調達します。管理者は出資してくれた人たちに完成したグッズやのサイン入りのプレゼントをしたり、作品に名前を掲載したりしてお返しをします。
わたしがクラウドファンディングを知ったのは、映画「この世界の片隅に」でした。企画段階で内容が地味すぎる、ヒットする要素が見当たらない、とプロから酷評され資金調達が難しかった劇場アニメです。
クラウドファンディングを利用して、一般のアニメファン3374人から3900万円もの寄付金を集め映画は完成。「この世界の片隅に」は、ロングラン大ヒットしました。
【クラウドファンディングの成功に必要なもの】
インターネットを使って不特定多数のファンから寄付を募る。簡単にいえばカンパをしてもらうのがクラウドファンディングです。
クラウドファンディングを成功させるには、あなたの存在とあなたがカンパを集めていること、お金が必要なことを一人でも多くの人に知ってもらわなければいけません。
お店にも言えることですが「人は知らないものは存在しないのと同じ」です。そこで知ってもらうための道具(ツール)が必要になります。
具体的に必要なものは以下の3つ。
・募集を告知するページ
・ツイッター
・実況中継をするためのyoutubeやブログ
クラウドファンディングでググれば、いくらでもサイトがみつかります。さらに多くの人と知り合う、告知する、仲間を集めるならツイッターは必須のツール。そして、グッズ作りの進捗状況をリアルタイムでお知らせするためにyoutube(ユーチューブ)に動画を投稿したり、ブログに画像をアップすれば完璧です。
サイトに登録するのが面倒くさい、金額はそれほど必要ではない。それならお店のツイッターやブログ、店頭で告知してもいいでしょう。大がかりなことをしなくても、あなたに信用があればお金は集まります。
たとえば、わたしは店を手伝ってくれる女性に着てもらうメイド服を買うためにレジ横に募金箱を置いてお金を集めたことがあります。相模大野のちびキャラグッズ専門店のデフォルメ屋さんには、オリジナルキャラクター「デフォたん」のグッズを作るために店内に「神社とお賽銭箱」があります。和歌山のカードショップ喫茶すのめろさんもオリジナルゲーム作りのための資金提供をツイッターで呼びかけています。
【クラウドファンディングで本当に必要な3つのこと】
あなたが資金を必要としていることを知ってもらうための道具(ツール)が、告知・応募ページ、ツイッター、youtube(ユーチューブ)またはブログでした。
ここでは資金集めが成功するために必要な3つの心構えを以下に挙げます。
・信用
・熱意
・共感
です。
>>信用
人は信用しない人間から物を買いません。同様に信用していない人間に金を出しません。あなたが本当にそのことが好きか、成功したいのか、わかる人にはわかります。
>>熱意
熱意は自動車でいえば燃料。ガソリンです。どんなに高性能な自動車でも燃料がなければ1ミリだって動きません。成功するまであきらめない熱意(ハート)があれば、たとえクラウドファンディングで資金が集まらなくても、いつか開業やグッズ作りは成功します。
>>共感
クラウドファンディングはたくさんの人に応援していただくことで成功します。その根っこにあるのは共感です。あなたを応援したい、この計画を一緒に楽しみたい、成功してほしい。
困っているひとをなんとかしたい、さびれた町を復活させたい、など共感してもらえるテーマがあるのなら、恥ずかしがらずに表明しましょう。
【100人の買い手を見つければ出版が決定する、おとぎ出版】
おとぎ出版は、吉本の芸人・西野亮廣(にしの・あきひろ)さんが開発中のサービスです。
商品は流通に乗せるために取次が存在します。ホビーの場合、取次は問屋になります。本を出版社から出すには、数千から一万冊売れる見込みがなければ出版してもらえません。まあ出版社も売れるかどうかわからないリスクをかかえるわけですから、基準は必要です。
西野さんは考えました。取次を通さずに売ってしまえばいい・・・と。本を出したい人がクラウドファンディングで、その本の買い手を募集し、100人の買い手がみつかれば出版が決定するのが、おとぎ出版です。
100冊で出版が決まるならハードルはかなり低くなります。一日も早いサービスの開始を待っています。
(出典 幻冬舎 革命のファンファーレ 現代のお金と広告)
【開業だってできるクラウドファンディングの可能性】
クラウドファンディングを活用して集めるのは資金だけではありません。それはあなたのファン。開業前から、あなたが作るグッズ、あなたのお店、あなたのファンを増やすことも可能です。
グッズの製作費用どころか、お店の開業資金を集めることだって夢ではありません。もちろん、応援してもらうためには「信用」と「共感」が必要です。
たとえば、日本では書店ゼロの自治体が増えています。出版取り次ぎ大手トーハンによれば、香川を除く全国46都道府県で420の自治体・行政区に書店がありません。そして、この数は増えています。本が好き、本のある生活が好き、本屋のある地元が好き。この現状をどうにかしたい。
そんなあなた。クラウドファンディングで開業資金を集めて、書店をはじめちゃいませんか。
じつは・・・わたしもクラウドファンディングで実現してみたいことが2つほどあります。ひとつはこの「ホビーショップの開業が成功する5つの基礎知識」を書籍化すること。「おとぎ出版」でなら、100人の購入者を集めることができれば実現します。もうひとつは、大手企業が静岡市に本社を移転するなどイマイチ元気のない清水区をホビーで元気にすることです。
静岡県静岡市は毎年5月に「静岡ホビーショー」を開催しています。静岡ホビーショーは毎年、全国から7万人もの来場者がやってくるホビーのビッグイベントです。
静岡県は模型の世界首都、ホビーのまちと名乗っていますが、2018年に老舗の模型専門店「レインボーテン」が実店舗の閉店を発表しました。ホビーメーカーは元気でも、ホビーの販売店は潰れるばかり。誰かが立ち上がって、この現状を変えなければいけません。
清水港には頻繁に豪華客船が寄港し、外国の観光客がやってきます。お土産としてプラモデル(模型)を売る店を作りたいと考えています。模型教室を開催したり、模型の工具や塗料の販売、アオシマ、ハセガワ、バンダイ、プラッツ等のメーカーの新商品やサンプルの展示もしたいところ。
【ツイッターは宣伝装置じゃない】
よくツイッターで見かけるのが「○○はこちら→URL」というもの。お店のホームページや通販に誘導したいのでしょうけれど、そんなツイートを見てもおもしろいとは思えません。そもそもクリックすらしません。そんなツイートばかり繰り返していたら、フォロワーはどんどん離れていきます。
ツイッターは拡散装置でも宣伝機械でもありません。利用者も慣れてきました。もうなんでもかんでも拡散される時代は終わりました。ツイッターは「あなたとあなたのお客様やファン一人一人とつながる」ための手段です。
たとえば、わたしがこのホームページを書籍化するためには100人の購入者を集めなければいけません。もちろんホームページ、ブログ、ツイッターで告知します。あとは検索エンジンなどで「おもちゃ 開業」「ホビーショップ 経営」などでググってみつけた個人に直接アプローチします。
送るメッセージの内容は「はじめまして。わたしは玩具屋開業アドバイザーの店長と申します。このたびホビーショップを開業したい個人を応援する書籍を作るクラウドファンディングをはじめました。100人の購入希望者が集まれば書籍化が実現します。もしよろしければ、おなじ夢をもつ人を応援するために協力していただけると嬉しいです。詳しくは以下をご覧ください。どうぞよろしくお願いいたします。URL」のようにします。
大切なことは刺さらないたくさんの人に無闇に声をかけるのではなく、刺さる一人だけに声をかける。これって専門店にもいえることですね。
【クラウドファンディングの他には無い特長を活かす】
資金を不特定多数のひとから集めることばかり注目されてしまうクラウドファンディング。じつは他にない特長があります。
それは以下の3つ。
・お客様が応援してくれる
・お客様が宣伝してくれる
・テストマーケティングができる
お客様は資金を提供してくれるだけでなく、あなたの活動やグッズ作りを応援してくれます。さらに自らのツイッターなどで宣伝・拡散もしてくれます。あなたはグッズを売る前から、開業をする前からたくさんのファンを手に入れることができるのです。
さらに小さく失敗をすることができます。たとえば書籍。100人を集められない、100冊も売れない本が商業出版されてもそれ以上に売れると思えません。100人も集まらないということは、テストマーケティング(試作販売)の段階で失敗だとわかります。
【売るまでの流れを作ろう、考えよう】
いまだに「良いものを作れば黙っていても売れる」「美味しいものを出せば繁盛する」と考えて、売ることに本気を出さない商売人がいます。商売とは、最終的に売れてお金が残るまでが商売です。あなたの商品がお客様に届くまでがビジネスなことを忘れないでください。
売る努力を放棄したクリエイターは単なる自己満足です。
子供を作るだけ作って育てない親と同じ。商品を仕入れて並べ「あとは勝手に売れるだろう」で売れたら、どの店も潰れません。
【クラウドファンディング以外で本を出版する方法】
このホームページの読者さんが過去に音楽系の本を商業出版していました。許可をいただき、その方が出版した方法を公開します。
彼は、それまで何かを書くような仕事をしたことはありませんでしたが、出版社に電話して「こういう本を書きたいんですけど」と直談判。「とりあえず出版社まで来てくれ」と言われ、すぐに出向いて話してみたら即日OKがもらえました。
その時に「○○の本、書ける人とか知り合いにいない?」とか聞かれたりもしたそうで、意外と出版社は書いてくれる人を探しているようです。
その方が書きたかった本は音楽に関する内容で、問い合わせた出版社も音楽系の本ばかりを出しているところでした。
なので、あなたが出したい本と同種の本を出版しているところに問い合わせれば、あんがいトントン拍子で話しが進むかもしれません。
大切なのは夢見るだけ、考えるだけでなく、行動です。