自宅での開業がホビーショップ成功の近道
・家賃がかからない
・人件費が少なくてすむ
・初期費用も抑えられる
・通勤に時間がかからない
・家族に店番を手伝ってもらえる
・仕事を続けたまま低リスクで開業できる
・営業日、営業時間を自由に決められる
・お客様は来ても来なくてもOKの精神状態でいられる
・ステップアップの準備ができる
・何よりも小さく失敗が体験できる
これが自宅で開業する最大のメリットです。
自宅でのホビーショップ開業が成功の早道であり近道です。理由は「お金」に尽きます。
たとえば美少女フィギュアの仕入れの掛け率は2割です。1万円の商品をひとつ売って利益は2千円くらい。わたしが借りている店の家賃は月4万円。この家賃4万円を稼ぐには月に20万円の売上げが必要です。
20万円は、1体1万円の美少女フィギュア20日分の売上げです。1か月に25日間営業して、25万円の売上げがあれば利益は5万円。家賃を払ったら手元に残る利益は1万円のみ。光熱費、通信費を払ったら赤字です。しかも、これは毎日1体売れることが前提です。
けれど自宅をお店にしたらどうでしょう。この家賃の支払いを考えなくてすむのです。
ここでは自宅をお店として開業するメリットやデメリット、成功しやすい理由を説明します。
【日本は空き家が増えている】
自宅で開業するのが低リスクなのはわかった。でも、一軒家を買うお金なんてない。
確かにホビーショップを開業するなら一軒家が理想です。けれど、本当に無理でしょうか。いま日本では少子高齢化が進み、空き家が増えています。
総務省統計局の平成25年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の要約によれば、総住宅数は6063万戸と5.3%の上昇。空き家率は13.5%と過去最高になりました。また(株)野村総合研究所によれば「2018年、2023年、2028年および2033年における日本の総住宅数・空き家数・空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)の予測」では、平成45年の空き家率は30.2%、空き家数は約2150万戸と予測しています。
2018年で10軒に1軒、2033年で3軒に1軒が空き家になるのです。
わたしの親戚もほとんどが亡くなり、家を継ぐ人がいません。あなたの両親の実家は持ち家ではありませんか。兄弟や親戚に一軒家を安く売ってくれそうな人はいませんか。駅前のような一等地でなければ、店舗を20年借りるつもりで買える物件もあるはずです。
一軒家の賃貸物件を改装する手もありますが、賃貸では家賃の支払いは続くこと、ずっと家賃を払っても自分の家にはならないことから、持ち家で開業することが最も低リスクかつ最良の方法です。
【家賃がかからない】
横浜で40年以上も開業を続けている滝口模型さん。店が続けられる理由は自宅で家賃がかからないこと。店主も地元レポートサイトのインタビューに答えています。
家賃も売上げから出さなければなりません。扱う商品にもよりますが、ホビーの利益率はそれほど高くありません。お店の固定費は家賃、人件費が多くを占めることを覚えておいてください。
【人件費が少なくてすむ】
個人店は一人店長が基本です。自宅が店なら、何か用があっても家族に店番を頼むことも可能です。
【初期費用も抑えられる】
店舗を借りた場合、敷金・礼金などもかかります。自宅であれば、それもいりません。
個人で使っていたパソコンや通信設備、電話回線もそのまま使えます。新たに設置する必要もありません。
【通勤に時間がかからない】
歳をとると、お金よりも時間のほうが大切になります。
仮に店舗を借りて往復で一時間の通勤時間がかかるとします。月25日営業で25時間。年にしたら300時間かかる計算です。それだけの時間があれば、もっと別の何かに使えると思いませんか。
【家族に店番を手伝ってもらえる】
家族に店番を手伝ってもらえる。これは表のメリット。裏のメリットは、あなたと話をするためだけに来る困ったチャン対策です。
困ったチャンが来る目的は、同じ趣味の話ができるあなたのみ。オタク趣味をもたないあなたの家族ではありません。
あらかじめ家族と合図や連絡方法を決めておき、買わないけれど長居しそうな困ったチャンがきたら「問屋さんから電話ですよ」などと声をかけてもらい、あなたは奥に引っ込みます。
その間に家族には「何かお探しですか?」と困ったチャンに売り込みをしてもらってもいいでしょう。買う気のない困ったチャンはすぐに帰るはずです。
【仕事を続けたまま低リスクで開業できる】
自宅で家族に店番をしてもらえば、昼間にあなたは外で働くことができます。会社を辞めずに副業が軌道に乗るまで安定収入を得ることができるのです。
または平日の夜や週末の土日、勤務が終わったあとや会社の休日に店を開けてもいいでしょう。
実店舗開業は、やってみなければわからないことも多くあります。まず金をかけずに安定収入も捨てず保険をかけてスタートします。
【営業日、営業時間を自由に決められる】
自宅なので営業日や営業時間を自由に決めることが可能です。たとえば平日の午前中にしか来店できないお客様がいれば、日時を連絡しあい、その時間に店を開ければいいでしょう。
ただし一度決めた定休日や営業時間はコロコロ変えてはいけません。とくに、いつ休むかわからない「不定休」はお客様が不安になります。
あくまでもお客様に臨機応変に対応するための自宅開業です。
【お客様は来ても来なくてもOKの精神状態でいられる】
店舗を借りれば家賃がかかります。家賃の支払いがあれば、商品を売らなければ・・・と焦ります。
売れない営業マンとモテない男性には共通点があります。それは「ガツガツ」していること。売れない営業マンは顔や態度に「買ってー買ってー」「なんとかして売ってやる」というオーラが出ています。モテない男性は「やりてーやりてー」「おんなーほしーおんなほしー」という空気を身にまとっています。
ホビーショップなら「あ、ちょっと客のフリをすれば食いつくな」「こいつ、ちょろいん。簡単に相手をしてもらえる」と、困ったチャンにはバレバレ。あなたの売りたい気持ちにつけこまれ、何時間も雑談相手をさせられたあげく「楽しかったです。また来ます」と帰られてしまいます。
とうぜん商品は何も売れません。あなたは完全にくたびれもうけ。
自宅を店舗にすれば、家賃(金銭面)で焦ることはなくなります。その心の余裕が、あなたの立ち振る舞いや態度、言葉にあらわれます。「落ち着くな」「なんかいいな」「買わないと悪いな」という波動がお客様にも伝わります。
精神面・金銭面で店主に余裕があれば「あ、このお客様は無理して付き合いたくないな」「この人はヤバいな」と感じたら我慢せずに「無理をして買ってもらわなくてもいいですよ」「どうぞ他店をご利用ください」「当店ではお客様の期待に応えることはできません」と言うことができます。
お客様にしたくない人をお断りすれば、あなたの店の雰囲気はどんどんよくなっていきます。
【ステップアップの準備ができる】
開業に絶対はありません。しかし、小さく挑戦して小さく失敗することはできます。まず自宅でネット通販からはじめます。実店舗で「やっていける」と確信がもててから自宅を改装すればいいのです。
どうしても専用の店舗が欲しい。自宅で手ごたえを感じたら、近くに店舗を借りる。いっそのこと店舗兼自宅を建ててしまってもいいでしょう。
【小さく失敗することができる】
人生もビジネスも失敗の連続です。
開業の場合、大枚をはたいてお店を借り「えいや!」と一発勝負になりがち。それで失敗したら、もう後がありません。そう簡単に辞めることもできませんし、お店の場所を移動することもできません。
けれど自宅で開業すれば、スタートだけでなくお店を続けるあいだの家賃(固定費)がずっと抑えられます。失敗か成功かで考えれば、これほど大きな金額の経費が抑制できることはメリットしか感じません。
【自宅で開業するデメリット】
自宅で開業するデメリットもいくつかあります。
・自宅と職場が同じなので運動不足になる
・太る
・公私混同する
・プライベートがなくなる
・空き巣、セキュリティ上の注意が必要
・企業が相手の場合、社会的信用が得られない
・女性や子供の情報の取り扱いに気をつける(ストーカーや誘拐)
などです。
でも昔なら個人店は自宅が普通でした。個人の自宅兼店舗は決して珍しくありません。インターネットがこれだけ普及した現在、隠れ家的な場所でも本当に興味のあるお客様は探してでも来てくれます。
【まとめ】
開業時にはお金がとにかく必要。店舗を借りれば家賃(固定費)はずっとかかります。
整体やマッサージのように仕入れが不要な業種ならともかく、利益率が低いホビーショップは自宅でスタートするべきです。