「つながり」で売る!7つの法則
【エクスペリエンス・マーケティングとは】
通称エクスマ(エクスペリエンス・マーケティング)とは、モノを売るな!体験を売れ!というマーケティング手法で、マーケティング・コンサルタントの藤村正宏(ふじむらまさひろ)さんが提唱する売り方です
藤村さんは、エクスマの考え方を取り入れて売り上げをあげる方法を多くの企業にアドバイスしています。
クライアントには、カメラのキタムラ、パナソニック、イオン九州、ゴルフパートナー、ヤマハ発動機など大中小さまざま。ほかにも経営者を集めたエクスマ塾も開催しています。
【エクスマを実践した企業の結果】
ここではエクスマを実践した企業がどのような成果を出したか、一部紹介します。
・年間50万個以上も売れる空港の弁当(その気配りの秘密)
・ホテルの朝食バイキングで、いつも残って廃棄したトムヤムクンとビシソワーズのスープが追加されるようになったPOP
・売り上げの65%がリピーターの白馬のホテル。アンケートでリピートした理由の意外な1位とは
【全世帯の64%がスマートフォンをもっている事実】
ツイッター、ブログ、インスタグラム、フェイスブック、ホームページ、LINE、メルマガ。
インターネットが普及した今、ほぼ無料でこれらSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が使えます。インターネット通販をしている店舗なら、パソコンで利用できます。スマートフォンをもっていれば外出先からでも投稿可能。
スマートフォンを持っているひとは、24時間・365日インターネットにつながっている状態です。
このスゴサ、わかりますか。
総務省の調査によれば、平成26年には全世帯の64%がスマートフォンをもっています。世帯主の年齢が若いほどスマートフォンの保有率は高くなっており、20歳代では94.5%、30歳代で92.5%、40・50歳代でも70%以上、60歳代以上でも40%に迫る勢いです。小学生でもスマートフォンを持っています。
あなたはパソコンとインターネット環境。またはスマートフォンがあれば、SNSを使ってあなたのお客様に情報をお届けすることができるのです。
あなたは、この素晴らしいサービスを使いますか。使いませんか。
【現代だからできる、つながりで売る方法】
つながりで売る方法は、文字にすれば単純で簡単です。
・SNSで情報(得意なこと、好きなこと、趣味、役立つこと)を発信する
・SNSで同じ趣味の人とつながる。情報交換する。関係性をつくる
・お店を知ってもらう
となります。
ただし、間違ってもいきなり「買って!」「店に来てね!」をやってはいけません。それではSNSを使った単なる売り込みです。
ホビーショップを経営しようと考えるあなたですから、何か好きなこと、得意なこと、役立つ情報を持っているはずです。その役立つ、楽しい、共感できる情報をツイッターでつぶやいてもいい。ブログで記事にしてもいいのです。
すると同じ趣味の仲間が集まり、いつしかコミュニティ(仲間の集団)ができあがります。
【人は知っているひとから買う】
あなたに質問です。あなたはあるキャラクターの美少女フィギュアを買おうと思いました。どこで買いますか。
・インターネット通販(Amazonや楽天)
・15%引きで売っているチェーン店
・顔見知りで仲の良い店長がいる個人店。ただし定価販売
わたしなら仲の良い店長がいる個人店で購入します。そして、おしゃべりをして一緒に楽しい時間を過ごします。
あなたにもそんなお店がきっと存在するでしょう。つまり、同じ物なら人は知っている人、関係のある人、好きな人から買うのです。
お店に来る前から、お客様があなたやあなたの店のことを知っている。最初から買うつもりで来てくれる。SNSなら、それが可能です。
なお「1円でも安く欲しい」という人は定価販売の店には来ないでしょうし、たとえ来たとしても買わない可能性が高いことだけは追記しておきます。
値段が同じなら。たとえ値段が他店より高くても「あなたから買いたい」と言ってもらえるのが「つながり」で売るということ。SNSならば、安くしなくても売れるのです。
【Amazonのレビューに学ぶ】
ホビーにかぎらず、本、食品、靴やコスプレ衣装まで販売しているインターネット通販のAmazon。
商品を買おうとするとき、参考にするのがレビュー(購入したお客様の声や感想、評価)。
人は、あなたがいくら「いいよー」「これ最高」と言っても信用しません。けれど、第三者の客観的な意見は信用します。
つまり、あなたが自分で「俺すげー、俺の店はすごい!」と言っても疑われますが、あなたの店のお客様が「あの店、ほんとにすげー!」とSNSで発言してくれれば信用してもらえるのです。
これからのホビーショップ店主は、SNSを使いこなせなければ生き残れません。
【価値を伝えていないから売れない】
現代は物があふれています。みんな欲しいものは、たいてい持っています。最近のわたしは、外出しても何も買わずに帰ることがほとんどです。
ではお金を使いたくないかといったら、そうではありません。本当に欲しいものなら買います。高くても買います。無理してでも買います。
けれど、お店に行って商品をみても値札に書いてあるのは「商品名、メーカー名、価格」だけ。これでは欲しくなるわけがありません。
お客様に、その商品を買う理由や必要性。商品の価値を伝えていないから売れないのです。
【お店がある強みを最大限に活かす】
インターネット通販のよいところは
・価格が安い
・送料が無料のところが多い
・商品がすぐに見つかる
・すぐに商品が届く
・家から出なくても買える
・買ったことが他人にわからない
などがあります。
家賃や光熱費など固定費のかかるリアル店舗で、インターネット通販と同じ土俵で戦っても勝ち目はありません。そこで実店舗のメリットを最大限に活かしましょう。
たとえばTCG(トレカ)ショップにはデュエルスペースがあります。デュエルスペースとは、カードゲームショップに設けられている対戦用のスペース。
友達だけでなく、いろいろな人と対戦ができます。初心者であれば、店主や常連に教えてもらうことも可能です。大会に参加したり、仲間とわいわい楽しみながら遊べるのは実店舗の強み。
ほかにも商品の実物を見ることができる。触ることができる。いらないカードを売ったり、欲しいカードを買うこともその場でできます。
【まとめ】
つながりで売る!7つの法則は「お客様とゆるやかな関係性をつくる」方法を教えてくれます。
藤村正宏さんはエクスマの関連本を何冊も出しています。SNS以外の部分のPOPの書き方や重要性、商品価値の伝え方は「安売りするな!価値を売れ!」「集客に、お金はかからないのです」「五感を使って独自化しろ!」のほうが、より詳細に説明されていて勉強になります。
平成(おそらくあと数年で変わるでしょうけれど)の玩具屋やホビーショップは、インターネットとSNSが使えなければ生き残れません。
SNSを活用していない店主は、いますぐこの本を読んでSNSを始めてください。成果はすぐに出るでしょう。