新版 小さな会社 儲けのルール

新版 小さな会社 儲けのルール

 

新版 小さな会社 儲けのルールは、2002年に出版された「小さな会社 儲けのルール」の事例を大幅に入れ替え、従業員が30人以下の社長により役立つ内容になった本です。

 

中小企業コンサルタントでランチェスター経営(株)の代表、竹田陽一さんの著書で「アマゾンが選ぶビジネス書100冊」にも選ばれています。

 

勉強に使う教科書に例えるなら、小さな会社の稼ぐ技術が参考書。この「小さな会社 儲けのルール」は基本書に位置します。

 

 

 

【弱者の基本戦略を学ぶ】

 

 

他のページでランチェスター戦略については書きましたので、ここで詳細は説明しません。

 

ランチェスター戦略は、個人店や中小企業がどうやって大手チェーンや大企業を相手に戦うか、生き残るか、やり方や考え方を教えてくれます。

 

わたしたち個人店はすべて弱者。

 

動物でいえば蟻です。大手チェーンや大企業は強者であり、動物なら象にたとえられます。真正面から象にむかっていけば踏みつぶされるのが蟻の運命。

 

弱者には弱者の考え方、戦い方があります。

 

 

 

【経営の目的は粗利益】

 

 

お店も会社と考えると、利益がなければ生きていけません。ようは「金」です。ゆえに会社は粗利益を手にすることを目的にしましょう。

 

そのお金(粗利益)は、いつ発生するでしょう。

 

商品を仕入れた時でしょうか。商品を店頭に並べたときでしょうか。それともお客様に売れて、レジでお金をあなたが手にした時でしょうか。

 

そう、あなたがお客様からお金を受け取った時です。

 

事務をしていても、商品を並べていても、粗利益は生まれません。商品がお客様に売れた時にだけ、粗利益は発生することを忘れてはいけません。

 

 

 

【ハローマックはなぜ潰れた】

 

 

おもちゃのハローマックを覚えていますか。

 

わたしの地元にも店舗があり、行くたびに大きくてキレイな店内と幅広い品ぞろえにドキドキワクワクした記憶があります。

 

ハローマックは、靴の量販店を展開するチヨダがかつて運営していた総合玩具店。ウィキペディアによれば、2008年の7月には撤退したとのこと。

 

わたしなりにハローマックが潰れた原因を考えてみました。

 

・幅広い品ぞろえ(特徴がない店になりやすい)
・人件費や家賃が高かった
・トイザラスのような大企業が参入してきた
・ネット通販の浸透
・売れる商品はなかなか数が入らない
・おもちゃは利益が薄い

 

などでしょうか。

 

なんにせよ、なんでもかんでも揃えようとする総合玩具店(ホビーショップ)はハローマックでさえ潰れるという事実があります。

 

 

 

【強者の戦略とは】

 

 

大企業や大手チェーンには資金も人もあります。つまり強者の戦略ができます。

 

強者の戦略とは

 

・なんでもやります
・なんでも売ります
・すべての人がお客様です
・呼ばれれば、どこにでも行きます

 

です。

 

強者の戦略を弱者が真似してはいけません。資金も人もない個人のホビーショップで同じことをしたら、いくら金や人があっても経営がもたないからです。

 

わたしたち弱者は「商品」も「地域」も「客層」も絞る必要があります。

 

 

 

【すぐに潰れる店の特徴】

 

 

わたしが見てきた潰れたホビーショップ(おもちゃ屋)をランチェスター戦略(経営)の視点から分析してみました。すると、いくつかの特徴が浮かび上がりました。

 

・店の特徴がない(個性がないから口コミが生まれない)
・なんでも屋(品ぞろえがすべて中途半端である)
・店主が不勉強(商品知識がない、好きという熱意を感じない)
・売る努力をしていない(集客・販売力が不足している)

 

売る努力をしていないについては、するべきことをしていません。

 

・店のホームページがない
・店のブログがない。更新していない
・チラシをまいていない
・ツイッターもやっていない

 

どんなに良い商品を扱っていても、その存在を知られていなかったり、良さがお客様に伝わらなければ売れません。

 

商品3分に売り7分

 

店は商品の力が3分、売る力が7分あれば成功します。商品力より売る力があれば店は生き残れるのです。

 

もちろん、ホビーショップにとって商品は要(かなめ)ではあります。けれど、商品がどんなに良くても売る力がなければ売れません。

 

やるべきこと、やれることをしないで「不景気だから」「店の場所が悪いから」「近くにライバル店がオープンしたから」「ネット通販のほうが安いから」と行動もせず愚痴や文句をたれているだけ。それで売れるわけがありません。

 

まず行動。実践する。やってみる。ダメならやり方を変えてみる。やり続ける。これ大事。

 

 

 

【まとめ】

 

 

わたしは開業前にこの本を読んでおくべきでした。

 

大手チェーンへの憧れもあったのでしょう。自分が弱者(蟻)であることを忘れ、強者(象)の戦略をしていました。また偶然、弱者の戦略を実行している部分があったこともわかりました。

 

それでも開業から8年。今、この本に出会えたのは奇跡であり運命でした。自分ができていなかったこと、やっていなかったこと、すべきことが「ストン」と腹に落ちたのですから。

 

小さな店(会社)を開業しようと考える店主(社長)に、身の丈にあった戦い方を教えてくれる素晴らしい一冊です。

 

 

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