絶対に集めてはいけない「無料で何でもクレクレ君」

絶対に集めてはいけない「無料で何でもクレクレ君」

 

店に金を払ったら「負け」だと思ってる。
店は無料で楽しむ場所だ。
買わないし買う気もないけど、いい暇つぶしになる。

 

自分で店を経営していると、たまに「きっと頭の中ではこう考えているんだろうなー」って人が来店されます。

 

もちろん、彼らが商品を買うことはありません。買わないので、お店にとってはお客様でもありませんから「人」としておきます。

 

インターネット。とくにスマートフォンの普及で、ここ数年のあいだにこのような人が増えました。わたしは彼らのことを「金を払う文化がない人間」とか「何をやっても買わない人」、または「返報性の原理が効かない人」と呼んでいます。

 

ようは何でも無料で手に入れようとする、無料で楽しもうとする「無料で何でもクレクレ君」です。

 

返報性の原理(へんぽうせいのげんり)とは、人は誰かにやさしくされたり、良くされるとお返しをしたくなる心理のこと。お店なら、商品選びに真摯につきあってくれたり、おしゃべりに付き合ってくれた店員に感謝の気持ちで商品を買うことです。

 

よく集客系のビジネス書を読むと

 

・楽しい店に人は集まる
・お客様と仲良くなれば売れる
・お客様のことを第一に考えれば売れる
・あなたの商品に興味がある人を集めれば売れる

 

と書いてあります。わたしも確かに間違ってはいないと考えます。

 

でも・・・残念ながら世の中はうまくいきません。理想やキレイ事だけではやっていけないのです。

 

じっさいに彼らのような「無料で何でもクレクレ君」ばかり集めて相手をしていたら、時間ばかり奪われて売上はゼロ。店は潰れます。

 

ここでは絶対に集めてはいけない無料で何でもクレクレ君について書いてみます。

 

 

 

【買うのはネットで。店は無料で楽しむ場所になった】

 

 

200円も参加費をとるなら参加しない。

 

とあるカードメーカーは、大会の参加費を中学生以上から200円とることを決めました。すると、たった200円なのに文句を言うひとがたくさんでました。

 

メーカーとしては、カードを遊ぶ場所を提供してくれている店を応援するためにしたことでした。

 

無料があたりまえ。店は無料で楽しめる場所。

 

文句をいう彼らにはそれが常識だったのでしょう。けれど、少しは店のことも考えてあげませんか。わざわざ家賃を払って借りている店なのに、まったく金を落とさない人ばかり集まったらどうなるか。とうぜん儲からないし、家賃も払えなくて店を続けることはできなくなります。家賃を払わなくてすむインターネット通販のみにするかもしれません。

 

無料で楽しむ人は気づきません。気づこうとしていません。無料なんてできるわけがないんです。誰かがその裏で泣いているんです。無料ってのは。

 

じっさい、毎週のようにツイッターでは「閉店します」といったカードショップオーナーのつぶやきをみかけます。これが無料の行き着く先です。

 

インターネットとスマートフォンの普及によって、誰もがホビーの相場や売買価格を見ることが容易にできるようになりました。これまでは商品を買うのはお店だったのが、商品を買うのはインターネットになったのです。

 

ホビーを売買するのはインターネットの通販やオークション。店は実物を見たり、冷やかしたり、何かをもらったり、無料で時間を潰せる「都合のいい場所」に変わりました。

 

ちょっと買うそぶりを見せれば、店員が愛想のいい笑顔でいくらでも会話につきあってくれます。

 

 

 

【無料で集客するメリットとデメリット】

 

 

・大会をやってください
・大会には出ませんが、プロモはください
・パックは買わないけれど予約特典をください

 

これ、本当にあるカードショップでオーナーが無料で何でもクレクレ君に言われたこと。その店では、そのTCGの取り扱いをやめました。

 

ここで「無料」を餌にお客様を集めるメリットとデメリットを挙げます。トレカなどを扱うカードショップであれば、デュエルスペースの無料化です。

 

>>メリット

 

・人はたくさん集まる
・オープン時など宣伝になる
・にぎやかな雰囲気は出せる

 

>>デメリット

 

・買わない
・売れない
・利益もない
・値引きばかり要求される
・似たような無料で何でもクレクレ君が集まってくる
・マナーが悪い
・店の雰囲気が悪くなる
・店員の時間ばかり奪われて売上は増えない
・クレームが増える

 

どうです。これでもまだ無料で人を集めますか。大手チェーンならともかく、個人店が無料を餌にして店に人を集めると、待っているのは悲劇しかありません。

 

 

 

【店主の意識変革の必要性】

 

 

インターネットや通信販売が普及するまでは、お客様にとってお店が唯一の買う場所でした。

 

ところが平成になり、インターネットやスマートフォンが普及してお客様の買う場所はお店だけではなくなりました。

 

実物を見るのは店舗で、買うのはインターネット。ショールーミングという言葉がでてきたのも、ネットと通販が普及してから。とあるスマホアプリによるフリマが普及してからは、平気な顔で個人店で値引きを要求する人も増えました。

 

商品を買う。店を選ぶ基準がすべて「価格」になってしまったのです。

 

けれど利益率の低いホビー。個人店が大手ネット通販と同じ価格で戦えるわけがありません。ではどうするか。個人店の店主は意識を変えるしかないんです。

 

・あなたが付き合いたい理想のお客様を決める
・価格だけで商品を選ばないお客様と付き合う
・定価で販売して、利益をしっかりいただく
・あなたの店で買ってくれるお客様を優遇する、大切にする、えこひいきする
・無料をやめる

 

しかありません。

 

100人の買わない人より、買ってくれる1人のお客様。

 

あなたはどちらを大切にしますか。集めますか。

 

 

 

【コミュ障アッパーにはご用心】

 

コミュ障

 

無料で何でもクレクレ君の中で最凶なのが「コミュ障アッパー」です。コミュ障アッパーは絶対に店に寄せつけてはいけません。

 

コミュ障とはコミュニケーション障害の略。他人との対人関係が苦手なひと、上手にできない人のことです。実際の障害とは関係ありません。

 

コミュ障は2つのタイプに分かれます。他人本位でおとなしく消極的なダウナーと自分のことしか考えない積極的なアッパーです。

 

薬物中毒の人が麻薬などを使うと「気分が落ち込む(ダウンする)」場合と「気分がハイになる(アップする)」場合に似ています。

 

>>コミュ障ダウナーの特徴

 

・他人が大切
・他人のことを考えすぎて自己主張できない
・おとなしい
・消極的
・空気を読みすぎて自分が疲れてしまう
・自分を責めて他人を責めない(なんでも自分のせいにする)
・他人が寄ってきても自ら離れてしまう

 

>>コミュ障アッパーの特徴

 

・自分が大切
・自己主張が強すぎる
・妙に明るい、陽気
・うるさい
・声が大きい
・相手の会話をさえぎり、自分の話をする
・積極的
・空気がまったく読めない
・一方的に自分のことだけ話したがる
・自慢が大好き
・他人の話を聞かない
・人が避けて近寄らなくなる
・他人に嫌われても気づかない
・自分を責めず他人を責める(何でも他人のせい)

 

なお、コミュ障ダウナーは店に寄り付かないので実害はありません。問題はコミュ障アッパーです。誰かに構ってほしいのに自己主張が強くて周囲に誰もいない。だから自分からあなたの店にやってきます。

 

行動力があり積極的な彼らは、いたるところに顔をだします。

 

あなたもオタク系イベントやショップで見かけたことはありませんか。フリマで何も買わずに店主とオシャベリを続ける人。コミケで同人誌やグッズを買わずに会話を続け、サークルスペース前を陣取って動かない人。ショップで店員が困った顔をしているのにレジ前からどかない人。

 

彼らは意識して、または無意識でもお客様のフリをすれば店員が自分の相手をしてくれる、優しくしてくれることを知っています。

 

だから金もなければ買う気もないのに平気で自慢話や自分語りを始めます。買う気のない商品でも話のネタにするために質問を繰り返します。空気が読めないので、長居されて店員が迷惑していることに気づきません。気づいても話をやめません。他人のせいにするのが得意なため、仕事や金がないのも社会のせい。

 

コミュ障アッパーに気に入られると、必ず彼らはまたやってきます。もちろん何度きても商品を買いません。そのたびにあなたは大切な時間と買ってくれるお客様を接客するチャンスを奪われるのです。

 

コミュ障アッパー対策はひとつ。相手にしないこと。ハッキリと「ここはお店です。おしゃべり相手をお探しでしたらお友達の家に行ってください」と伝えること。そうしないと、一生彼らはあなたが迷惑していることに気づかないでしょう。

 

無料であなたの店を宣伝する。時間はたった2分【エキテン】

 

 

 

>>集客できるお店ブログの特徴とは。そして記事の書き方にはコツがある