常連しかいない店は潰れる
常連しかいない店は潰れる。
このホームページに「常連しかいない店は潰れる」で検索エンジンから訪問してくださった方がいます。これは本当でしょうか。
ずばり、常連がいない店こそ潰れます。
ここではその理由を説明します。常連客の定義からすべてを見直して検証してみました。
【お店とは、店員とは、常連客とは】
どんなものにも。どんなことにも基本があります。基礎があります。わたしたちが使っているキーワード(文言)の意味を見直してみましょう。
>>お店とは
商売をおこなうための建物のこと。個人であれば個人商店。物やサービスを提供する場所。
>>店員とは
商売をおこなうために必要な人間のこと。売ることで生活費を稼いだり、時給をもらう。
>>お客様とは
狭義のお客様とは、お店で商品やサービスを購入してくれる人のこと。
広義のお客様とは「買ってくれるひと」「買ってくれる人を連れてきてくれるひと」「あなたのお店を宣伝・応援してくれるひと」です。
>>常連客とは
いつも買ってくれるひと。たくさん買ってくれるひと。何度も来て何度も買ってくれるひと。あなたとあなたの店を好きでいつも買って応援してくれるひと。
【店に常連客が必要な理由】
商売はボランティアではありません。無料では店を借りることも、店主であるあなたが生活することもできません。売ることから逃れることはできないのです。
お客様は「えこひいき」しなさい!でも、たった3割のお客様だけで売上げの75%を占めていると書かれています。
なにより新規客を集めるのには金がかかります。宣伝や集客も無料ではありません。新規のお客様を集めるより、同じお客様に何度も買っていただくほうがお金も手間もかからないのです。
【こんな常連客ばかりの店は潰れる】
よい常連客とは「よく訓練された店のファン」でもあります。
よい常連とは、いつも買ってくれる。たくさん買ってくれる。何度も買ってくれる。だから「買わない常連客」は存在しません。もしも店に何度もくるけれど買わないのであれば、それは単なる迷惑な人です。
そして、友達などにも店を紹介してくれる。なによりも他のお客様とも仲良くするし、新規客をないがしろにしません。
ラーメン発見伝では、人気ラーメン店でラーメンとビールだけで常連客が居座り、新規客が座れずにイライラする話がありました。飲食店で少ししか注文せず、席をずっと独占されたら回転率(売上と利益)はあがりません。
店内はいつも人で一杯なのに「儲からない」という悪循環が発生します。
ホビーショップでも同様のことがおこります。ほとんど買わないのに常連ヅラする人がきます。一度買っただけで、その後は買わないのに何度も店に来て常連ヅラ。そのたびに長居する。店主は売上が発生しないのに時間ばかり奪われる結果になります。
そうなったら過去に常連さんだった人でも切らなければいけません。ほうっておくと、あなたは疲れきってしまい店の雰囲気はどんどん悪くなります。
【よい常連客の作り方】
よい常連客の作り方はとても簡単です。
あなたの店でいつもたくさん買ってくれる、何度も買ってくれるお客様を「えこひいき」するだけ。このとき、ただのえこひいきではいけません。徹底的にえこひいきしてください。
わたしがしている常連様へのえこひいきは以下の7つ。
・予約を受ける
・手付金なしで予約を受ける
・メーカーのノベルティなど非売品をプレゼントする
・たまになら入手困難な商品でも無理をして仕入れる
・たまになら利益ゼロでも商品をお渡しする(通販限定商品など)
・一時間程度なら、おしゃべりに付き合う
・新製品情報などをメールで連絡する
あれ?値引きがありませんね。わたしは値引きをしません。端数の数円を切ることはあっても、大幅な値引きは誰にもしません。それが平等だと考えるからです。
なによりも個人店は値引きをしたら利益が残りません。
本当にあなたの店を大切に思ってくれる常連さんなら、数百円〜数千円程度の値引きをするかしないかで他店に浮気をすることはありません。
【常連客に協力してもらう方法】
一人店長のあなたのお店では、店長兼店員はあなただけ。そこで常連さんにいろいろと協力してもらいましょう。そのために普段の会話で「してほしいこと」「されると困ること」をお願いしておきます。
たとえば、わたしの店は店内と通路がとてつもなく狭いため、大人が4名も入るといっぱいになってしまいます。そこで新規のお客様が来たときは、常連さんに店の外に出てもらうようお願いしてあります。
また店内にお客様がいなくても他にする仕事があるため、暇そうに見えるかもしれないけれど暇ではないこと。毎回買わなくてもいいけれど、せめて3回に1回は商品を購入してほしいことを伝えています。
【常連客は恥ずかしがり屋が多い】
わたしの店は美少女フィギュア専門店だからかもしれませんが、買うお客様はほとんどが「成人男性が一人」でやってきます。
二人きりの時は饒舌なのに、誰か人がはいってくると途端に黙ってしまったり、帰ってしまいます。せっかく会話が盛り上がって商品を買ってもらえると思ったら、冷やかしに邪魔されて帰られてしまったことも一度や二度ではありません。
このことから店内には可能なかぎり暇つぶし、冷やかしを入れないようにしています。
【常連客が店内にいるメリット】
初めてのお店に入るとき不安なのが「店員に売り込みをされること」でしょう。ゆっくり見たい、落ち着いて探したい、とりあえず見たいのに店員にまとわりつかれたら嫌だ。その気持ちわかります。わたしも初めての店でそれをやられたらすぐに店をでます。まあ、そもそも買わない店には入りませんけれど。
その点、一人店長の個人店では常連客の相手をしていれば、店員に挨拶以外で声をかけられることはまずありません。
経験上、常連客と会話しているときに入ってきた新規客は、買わずに帰る確率が高いと感じます。
【店員と常連がずっと話しているのが気にいらない】
よく「店員が常連客らしき人とずっと話していて気分がよくなかった」という投稿をみかけます。確かに質問したいことがあるのに話かけられないのはムッとするかもしれません。
ただ・・・店員もその常連客らしき人と話がしたくてしているわけではないかもしれません。店員の仕事は接客。売ることです。だから、お客様の顔をされてこられれば、たとえ心の中で「買わないけどオシャベリ相手にになってよ、買わないけど」と考えている人間でも相手にしなければならないのです。
あなたが本気で商品を探している、買う気持ちがあるのなら遠慮なく会話に割り込んで店員に声をかけてください。それが店員を助けることになります。何よりも商品を買うならあなたはお客様。
たとえ常連でも遠慮する必要は一ミリもありません。