イヤな客には売るな!

イヤな客には売るな!

 

【ホビーショップにも売らない権利がある】

 

突然ですが質問です。以下の質問に「はい」か「いいえ」で答えてください。

 

・お客様は神様だ
・お客様は、誰よりもえらい
・無理な値引きでもすべき
・お客様を好き嫌いで選ぶなどもってのほか
・お客様はいつでも正しい

 

石原明さんの著書「イヤな客には売るな!」では、答えはすべて「いいえ」です。

 

 

 

【イヤな人間を客にすると大変な目にあう】

 

 

ホビーショップを経営している、いつか開業したいあなたにとって嫌な人間、嫌な客とはどんなひとのことでしょう。

 

・値引きしろとうるさい
・1円でも安くしないと買わない
・クレーム(文句)ばかり言ってくる
・人気のある商品を優先的に渡せと無理難題をふっかけてくる
・他のお客様に迷惑をかける
・店内で騒ぐ
・買わないのに長時間居座る

 

といったところでしょうか。

 

実は、嫌な人間を客にするとこれらの問題が起こります。これからその理由を説明していきます。

 

 

 

【安値で集めた客は安値で浮気する】

 

 

ホビーの利益はそれほど高くありません。フィギュアで2割、プラモデルで3割くらいしかないのです。1万円の商品を売って、ようやく2千円から3千円の利益が残ります。

 

そこから家賃や光熱費を支払うため、店主の時給は数円なんてザラ。売れなければ確実にマイナスです。

 

なかには「他店より安くしなければ売れない」と考える店主もいます。その店のオーナーが決めたことですから文句はありません。

 

けれど・・・安値で集めた客は安値で浮気します。

 

あなたのことが好きだから。
あなたの店を応援したいから。

 

残念ながら値段で集まる客は、そんな気持ちで買っていません。

 

1000円であなたが売っていた商品をライバル店が900円で売り始めたら、そちらに行ってしまいます。

 

 

 

【安さを求める客は、あなたの店なんてどうなってもいい】

 

 

ホビーショップに限りませんが、商品が売れても利益が残らなければ続けることはできません。そんなことは子供にだってわかります。

 

つまり、1円でも安くほしい!というひとは「自分だけが得をしたい」「あなたの店なんて別にどうなってもいい」と考えています。

 

経営は新規客を追い求めていては、いつまでも安定しません。いかにあなたから何度も買ってくれる優良顧客を増やすかにかかっています。

 

安い店に浮気する。安さだけを求める客は、あなたにとっての優良顧客にはなりえません。

 

 

 

【利益が残らないと売れても楽しくない】

 

 

別にわたしたち店主は、金のためだけに店をやっているわけではありません。それでも自分が仕入れた商品が売れれば嬉しい。

 

けれど売れても赤字だったり、利益が残らなければ楽しくありません。そんな気持ちを知らずに「もっと安く」「とにかく安く」と要求する客を相手にして、あなたは楽しいですか。

 

 

 

【とあるファミリーレストランでの出来事】

 

 

近所のファミリーレストランが格安のモーニングバイキングをはじめました。700円くらいでジュースやコーヒー、スープが飲み放題。料理が食べ放題。さっそく家族と行きました。

 

早朝だというのに店内は人でいっぱい。店員もおらず、なかなか席へ案内されません。5分ほど待つと、ようやく席に案内されました。さっそく料理を取りに行きました。

 

そこは無法地帯でした。

 

料理にいちばん近い席のソファには青年が寝そべっていました。どうやら寝ています。食べ終わっているのに帰るそぶりもありません。他のテーブルではポータブルゲームに若者が興じています。

 

店員も忙しいのでしょう。空いた皿はテーブルに山積みにされ、料理がなくなってもなかなか追加されません。

 

とうとう頭にきた20代と思われる男性が店員に怒鳴り始めました。

 

『俺は客だぞ!』

 

わかりますか。

 

安さを売りにする店には、激安な人間が集まるのです。

 

買ってもらえるから・・と頭を下げて売りでもしたら、クレームと無茶な要求ばかりされかねません。

 

 

 

【ホビーショップの客層について】

 

 

世の中にはいろいろな人がいます。

 

・言わなくてもわかってくれる人
・言わないとわからない人
・言ってもわからない人

 

この3種類でしょう。

 

2008年から開業した経験からすると、ホビーショップには「言わないとわからない人」と「言ってもわからない人」が多く集まります。

 

同じ趣味の人間が集まるので話はあうし、楽しい時間も過ごせます。

 

けれど、たまに「安くなければ買わない」「買う気はないけれど話だけ楽しみたい」「どうせ暇でしょ。僕の相手をしてよ。買わないけれど」みたいな、言わないとわからない、言ってもわからない人が来ます。

 

黙っていても、態度に出しても彼らには口で言わないと伝わりません。いいえ。口にだしても伝わらないことがあります。

 

店には売らない権利がある。

 

あなたの店のことなんてどうなってもいい。そんな客にあなたは売らない権利があります。嫌な人間とつきあわない選択ができます。

 

 

 

【傲慢や高飛車になれって意味ではありません】

 

 

嫌な客とはつきあうな。
イヤな客には売るな。

 

こんなことを書くと「何様だ」「傲慢じゃね」「高飛車かよ」という人がいます。

 

ホビーが好きで商売をやっていても、わたしたち店主は遊びでやっているわけでもボランティアでもありません。売れて利益がなければ、新たに商品を仕入れることもできずに店は潰れます。

 

そのようなこともわかってくれない。考えようとしない人といつまで我慢してあなたはつきあうのでしょうか。

 

 

 

【嫌な客とつきあうと店の雰囲気が悪くなる】

 

 

あなたは我慢して嫌な客とつきあっています。そうなると嫌な人間は嫌な人間を呼び寄せます。類は友を呼ぶのです。

 

逆にあなたの店が好きだった優良顧客は居心地が悪くなり、店に寄りつかなくなります。まさに悪循環。

 

 

 

【顧客化をめざそう】

 

 

最終的にお客様を顧客化(ファン化)させましょう。

 

顧客化すれば

 

・安売りしなくていい
・気持ちが楽
・楽しい
・売り込まなくても売れる
・あなたが勧めるものなら、なんでも売れるようになる
・利益が残る

 

こんなメリットばかり。

 

新規客を捕まえるには資金も労力もかかるけれど、常連さんに何度も売れれば資金も労力もかからないのです。

 

そのためには嫌な客は切ります。値引きはハッキリ「できません」と断り、買わないで長居するのであれば「仕事があるので、買わないのに長居されても迷惑です」と伝えます。

 

 

 

【まとめ】

 

 

この本は会社と会社、法人と法人のものであり、そのまま個人対個人には使えない部分もあります。しかし、嫌な客とつきあわないという考え方は法人も個人も同じ。根っこの考え方は学ぶところが多く。

 

せっかく自分の好きな人とつきあえる権利をあなたは持ったのです。

 

義務教育の学校では波長があわなかったり、あなたをイジメるような同級生から逃げることはできませんが、お店はあなたの城。つきあいたくない人を切っても、いいたいことを言っていいのです。

 

あなたの大切な場所を守るために「イヤな客には売らない」という考えをどうかもってください。

 

自分の居場所を守るためなら、人はなんでもできます。お店とお客様は対等の立場。あなたの考え、店のポリシーをお客様に伝え続けましょう。

 

さいごに、わたしの持論をひとつ。

 

ホビーショップの場合、店に入る前から。店に入ってすぐに買わない人間が高い確率でわかります(買わない客の特徴)。買わない人間に時間を奪われる、大切な売り物の商品を傷つけられる前に注意して追い出しましょう。

 

イヤな客には売るな!そしてマナーの悪い人間は店に入れるな!

 

 

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