お客様は「えこひいき」しなさい!
【えこひいきするホビーショップが生き残れる】
ホビーショップも商売でやっているお店である以上、仕入れた商品が売れて利益が残らなければ生き残ることはできません。ぶっちゃけ、潰れます。
お店をやっていると、あなたと波長が合う、あなたの店を好きになってくれるお客様が増えてきます。そして何度も買ってくれるようになります。いわゆる優良客であり常連さんになります。
お客様は「えこひいき」しなさい!は、あなたの店を心から応援してくれる常連客を見つける方法、常連客がどんどんあなたの店にはまってしまう方法、勝手にお店を口コミで宣伝してくれる方法を教えてくれる一冊です。
【えこひいきの誤解】
ここで質問です。以下の質問に「はい」か「いいえ」で答えてください。
・お客様は平等に扱うべき。えこひいきなんてもってのほか
・お客様だって、えこひいきなんてしてほしくない
・えこひいきしても、良い口コミなんて生まれない
・新規客こそ大事にすべし
・すべての客をえこひいきしよう
・えこひいきすると客が逃げる
・優良客に経費をかけてえこひいきなんてしなくていい
・客は値引きされるのが一番うれしい
・えこひいきするなら、値引きやセールなど金でするのが一番
・えこひいきするのは、二流の会社だ
お客様はえこひいきしなさい!では、答えはすべて「いいえ」です。
【えこひいきの真実】
・あなたの店の売上の75%を3割の常連客が占めている
・えこひいきは、JAL、リッツ・カールトンもしている
・お客さんだって、えこひいきしてほしい
これが真実です。
想像してください。あなたがよく行くフィギュアショップがあります。そこでもう何度も商品を買っているあなた。店主に名前も憶えてもらって、いわゆる常連です。
店にはいり、たまたま同じ商品を新規のお客さんが目の前で買いました。
店主「新規のお客様には10%割引きしています。9000円になります。ありがとうございます」
つぎにあなたがレジの前に立ちました。
店主「○○さん、いつもありがとうございます。10000円です」
へ?
同じ商品だよ。俺には割引ないの?俺、ここで何度も買ってるのに割引なんてしてもらったことないよ。なのに、初めて買うと10%引きなの?
あなたはそう思うでしょう。けれど多くの店がこれと同じことをやっています。結果、常連客はあなたの店から離れていくのです。
何度も買ってくれる常連客。その常連客の3割があなたの店の売上の75%を作ってくれています。
・一度も買ったことがない客
・一度だけ買ったことがある客
・何度も買ってくれている常連客
誰をえこひいきするべきか、あなたにはわかりますよね。
【一流企業こそ、えこひいきしている】
楽天市場、NTTドコモ、AU、百貨店、吉野家、ホテル リッツ・カールトン・・・。
これら一流の大企業も優良顧客をえこひいきしています。
バーゲンやセールの時だけ顔を出す「1円でも安くほしい」人間を相手にしてもメリットはありません。むしろ、安く安くという人間は悪質クレーマーになりかねません。
そもそもホビーショップの利益は約2割と少なく。その利益を削ってまで売っても生き残ることはできませんし、楽しくありません。
【金をかけなくても、えこひいきはできる】
えこひいきというと金銭的にしなければいけない・・・と誤解するひとがいます。利益の少ない個人店では、値引きなど金銭的なえこひいきをしてはいけません。
お金をかけなくても、えこひいきする方法はいくらでもあります。
・名前を覚える、名前で呼ぶ
・非売品のノベルティをプレゼントする
・予約を受ける
・取り置きをする
・超人気商品でも、なんとか取り寄せる
などなど。
【えこひいきすべき客の特徴】
すべての人と仲良くすることができないように、あなたの店に来てくれた人をすべてえこひいきすることはできません。する必要もありません。
あなたがえこひいきすべき人を決める基準は「累計売上高」です。
お店に来てくれた回数でもなければ、買ってくれるけれど毎回300円でもありません。1年間のうち、合計でいくら買ってくれたか、で判断しましょう。
・毎週来るけれど、買ってくれるのは月1回で5000円
・月に一度しか来ないけれど、10000円買ってくれる
えこひいきすべきは後者。わたしたち人間は超能力者ではありません。お客様の心の中は見えないのであれば、目に見えた結果で判断するしかないのです。
ホビーショップは、ラーメン屋のように「店内に入ったから売り上げが発生する業種」ではありません。
買わないのに二時間、三時間と居座り世間話を楽しんで帰る「困ったちゃん」に好かれても、売れないだけでなく、あなたの大切な時間を奪われるだけ。疲れるだけ。
ならば、その時間を常連さんに使うのが正解。そのための基準であり、えこひいきです。
【まとめ】
常連客をえこひいきしろ!といっても、何も新規客を無視しろ、ないがしろにしろってことではありません。
ただ・・・売れないと嘆くホビーショップの多くが「買わないけれど相手をしてクレクレ君」「金はないけど暇はある困ったちゃん」に時間を奪われている気がします。
どんなにキレイ事を並べても、売れなければ潰れるホビーショップ。誰が本当にあなたの店を応援してくれているか、を考え直すためにもおススメな一冊です。