ホビーショップの接客の基本

ホビーショップの接客の基本

 

【ホビーショップにおける接客とは】

 

玩具屋にかぎりませんが、お店とは商品やサービスを売買する場所です。

 

つまり、買ってくれる、売ってくれるお客様を接待する行為。それが接客。

 

店に入ってきた以上、買うつもりがあるとは思います。けれど、ホビーショップは飲食店のように店内に入ったから、売り上げが必ず発生する業種ではありません。

 

そのために、すべての店内にはいってきた人が「買うお客様か」「買わない人か」を見極めるためにも、接客は平等にする必要があります。

 

もちろん、最初からあきらかに買うつもりがない人ならば「早めに帰っていただく接客」をすることもあります。最悪「迷惑です。二度とウチに来ないでください」と伝える時もあるでしょう。

 

それでは、ホビーショップにおける接客の基本をお教えします。

 

 

 

【あいさつの大切さ】

 

 

趣味の店であっても物を売る業種である以上、サービス業。

 

来店してくださった人へのあいさつは基本です。

 

ちゃんとお客様に聞こえるように

 

・いらっしゃいませ
・おはようございます
・こんにちは
・こんばんは

 

と伝えます。相手から返事が来ることを期待してはいけません。あなたがしっかり挨拶をした。それが大切。

 

そして、挨拶には笑顔で「来てくれてありがとう」とココロをこめましょう。

 

常連さんが相手の場合、あいさつしてすぐに「○○さん、週末に公開された映画どうでした?」と、会話をはじめても喜ばれます。

 

 

 

【いらっしゃいませの危険性】

 

 

ショップであれば当たり前のあいさつ「いらっしゃいませ」。

 

お客様の中には「ああ、俺は店に入ったんだ」「売りつけられませんように」と身構えてしまう人もいるようです。

 

そこで友達感覚の雰囲気を出したければ、あえて「いらっしゃいませ」を言わずに「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」でもいいでしょう。

 

ただし、店は友達の自宅ではありません。本当に友達感覚で買わないのに何度も来てしまう困ったちゃんには、あえて「いらっしゃいませ!」とあいさつします。

 

 

 

【まとわりつかない、売りつけない】

 

 

店に入ってから買うものを決める人が7割から8割いるそうです。

 

観光地の土産物売り場など、はいってすぐ店員のおばちゃんが「○○がおススメですよ!」とやってくることがあります。そんなとき、わたしはすぐにその店を出ます。落ち着いて商品が選べないからです。

 

欲しくない商品を人は買いません。

 

だから、売りつけてもいけません。あいさつをしたら出ていくまで放置しましょう。本当に質問があれば、お客様のほうから声をかけてきます。その時は、誠実に対応します。

 

問題は、買う気も買う金もないのに会話のためだけに来店する困ったちゃん。

 

あきらかに買わない商品について質問を繰り返したり、目についた商品からアニメの話にもっていこうとするので注意が必要です。

 

ホビーショップの売り方の基本は「売りつけはしないけれど、買わないなら相手にしない」ことを忘れずに。

 

欲しい物を買うためとはいえ、お金を払う行為は心に痛みを伴います。本当に買うひとはパッと見て不機嫌だったり、無愛想な顔をしていることが多く。ゆえに、店にはいってきてやたらと愛想がいい、とにかくしゃべり続ける人は気をつけたほうがいいでしょう。

 

 

 

【ありがとうございますの意味】

 

 

外国では、何も買わないで帰る人間に「ありがとうございます」という習慣はないようです。日本だけの習慣かもしれません。

 

わたしが買っても買わなくても、店から帰るお客様に「ありがとうございます」と伝えるのは「お店に来てくれてありがとう」という感謝の気持ちから。

 

なにより、お礼を言われて悪い気持ちになる人はいません。

 

 

 

【予約を受けると大変な人もいる】

 

 

店に来る目的が「会話することだけ」の困ったひとがたまにいます。とにかく、誰かとしゃべりたい。相手の迷惑なんて顧みず、自分だけ楽しんで満足して帰ります。

 

友達がいない。職場でアニメや趣味の話ができる同僚がいない。さみしいのはわかりますが、店主や店員はたまりません。

 

このような人の予約を受けてしまうと、商品が発売されるまで「商品、届きましたか」と何度も顔を出されてしまいます。そして、そのたびに会話の相手をさせられます。もちろん、売り上げはゼロ。あなたの時間ばかりが奪われます。

 

この人は予約を受けても大丈夫な人か・・・。しっかり見極めてから予約を受けましょう。

 

 

 

【ホビーの特性を考え、かならず入荷連絡をすべし】

 

 

ホビー系商品は、本やゲームのように発売日がなかなか確定しません。発売が一か月遅れるなんて日常茶飯事です。

 

予約されたお客様に何度も店に来てもらうのは申しわけありません。会話目的だけで来店する困ったちゃんのように、発売していない(入荷していない)のに何度も店に来て、そのたびに長時間居座られても困ります。

 

予約を受けた場合、ホビー系商品は発売日が遅れることが多いこと、入荷したら電話する、ブログで記事にする、ツイッターでつぶやくことを伝えます。

 

こうすれば、困ったちゃん以外は連絡するまで店に来ません。

 

 

 

【ホビーショップの客層】

 

 

ここではホビーショップの客層について説明します。一般客、常連客までは売れる可能性がありますが、それ以外は売れる確率が非常に低くなります。

 

>>一般客

 

あなたの扱っている商品に興味がある。通りがかりや冷やかしの可能性も高い。10人はいってきて、買うのは1〜3人くらい。

 

インターネットであなたの店の存在を知り、そのまま常連客になる場合もあるので接客は丁寧にしましょう。

 

ただし、2人以上でやってきて商品をみながら「俺、このアニメ見た!」と、したり顔でうんちくを語り始める人は経験上、買いません。単なる暇つぶしです。

 

>>常連客

 

あなたが死ぬほど大切にする、えこひいきすべきお客様。

 

>>セドラー(転売屋)

 

ホビーによっては再販されなかったり、人気が集中して品薄になったり、生産数量が少ないと定価の何倍にも価格が跳ね上がることがあります。いわゆるお宝(プレミア商品)。

 

ホビーショップで定価または定価以下で仕入れ、オークションやアマゾンで売る。それがセドラーや転売屋です。

 

スマートフォンやバーコードリーダーでお宝を探すため、商品を片手で持ちます。軟らかいフィギュアの箱は片手で持つと凹むことも。また床に商品を落とす危険性もあります。

 

プロのセドラーや転売屋であれば、店に嫌われることを絶対にしません。

 

プロは店を出入り禁止になって狩場を失う怖さを知っています。店に入ったらすぐ商品をひとつ買い、店主の機嫌をよくしてから「まだ欲しいものがあるので探してもいいですか」とお願いしてきます。

 

問題は素人のニワカセドラーとニワカ転売屋。儲かる商品を探すことに集中しすぎて、売れない・興味のない商品を雑に扱ったり、売り場を荒らすだけ荒らして買わずに帰ります。プレミア商品があっても、目利きができないために気づきません。

 

せどり禁止の店でコソコソとセドることもあります。

 

>>定価厨

 

セドラーや転売屋は、売るために仕入れます。そのため利益が取れる商品は買います。まだ買ってくれる可能性アリ。

 

定価厨(ていかちゅう)は、自分が欲しいものだけを「とにかく定価で欲しい!」と日本全国を探し回ります。超レア物ばかり探し、それ以外には目もくれません。

 

定価厨の特徴は「そんなお宝、あったら俺が欲しいよ」という商品を平気で「在庫ありますか?」と聞いてきます。インターネットで宣伝しているような店にそんなお宝があるはずもないのに。

 

お宝がなければすぐに帰ればいいのに、店主のあなたから他にお宝の置いてありそうな店の情報を引き出そうと居座ります。

 

会話を続けるため、または情報を得るためなら閉店時間を過ぎていることを知っていて居座ります。

 

とうぜん彼らは何も買いません。

 

>>まだ俺は本気を出していないだけのイイワケ君

 

買う金がない。買っても置く場所がない。店に来てまで買えない言い訳をします。

 

>>ひねくれもの

 

店や商品に対して文句を言うくせに店内に入ってきます。文句があるなら入らなければいいのですが。

 

(定価を)高い!
店内が狭い!
冷房が効いていない!
キモイ!

 

信じられないかもしれませんが、美少女フィギュア専門店に入ってきて「俺、美少女フィギュア買う趣味ないんだよね」と口にした人がいました。

 

あなたはラーメン屋に入って「俺、ラーメン嫌いなんだよね」といいませんよね。残念ながらホビーショップには、それと同じことを口にする人がごくまれに来ます。

 

>>山賊(盗賊)

 

複数人。または3人以上のグループでやってきて騒ぐ。はしゃぐ。商品を雑に扱い店内を荒らす。人数が多いので気が大きくなっている。もちろん買う気はない。暇つぶし。万引き目的の盗賊である可能性も。

 

>>困ったちゃん

 

一人でやってくるのが特徴。

 

とにかく自分のことが大好き。誰かと話がしたくてたまらない。空気が読めない。会話のキャッチボールができない。買わないのに何度も来る。そのたびに長居する。店員や店主が困っているのに気付かない。気づこうとしない迷惑なひと。早期に切るべき人間。

 

 

 

【同人誌即売会にも出没する困ったちゃんの対処法】

 

 

コミケなどの同人誌即売会。同じ趣味をもった仲間がたくさん集まる場所にも困ったちゃんはやってきます。

 

彼らの特徴は「周囲が見えていない」こと。

 

・買わずに長話して居座る
・買っても居座る。他の客の邪魔になっていることに気づかない
・女性の売り子に絡む

 

男性がいると寄ってこない場合もあるようですが、多くの売り子が困ったちゃんに面と向かって「困ります!」と言えないため、困ったちゃんはいつまでも気づきません。

 

そんなときのために、机に「大丈夫」「困っています」「助けて」といった紙を貼り、指さしで仲間に意思伝達する手があります。

 

複数人の店員がいるホビーショップであれば、カウンターの内側に同様の紙を貼っておきましょう。売り場に出ている時に困ったちゃんにつかまったときは、他の店員に伝えるサインを決めておきます。後ろに回した手の指が1本なら「大丈夫です」。指が3本なら「助けて!」のように。

 

一人店長の場合、迷惑であれば迷惑と直接伝えるしか手はありません。伝えなければ、困ったちゃんには一生伝わらないと思ってください。

 

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>>ホビーショップこそPOPで売りこめ!