地上最強の商人
【地上最強の商人とは】
1968年に出版されたオグ・マンディーノのデビュー作。世界で300万部を記録した大ベストセラー。
京セラの稲盛和夫、日本マクドナルドの故・藤田田、ソフトバンクの孫正義といった名だたる企業の創業者が称賛しています。
いわゆる自己啓発本ですが、監修は京セラ名誉会長の稲盛和夫さん。稲盛さん自ら「まえがき」も書かれています。
日本経営合理化協会出版局から発行されており、431ページ。価格はなんと1万円。日本出版でもっとも重要なことは、オグ・マンディーノの企画によるフロー・チャート方式の「成功の記録」が付いていること。
読者は、教えを守れば地上最強の商人になれるという成功の秘訣が書かれた10巻の巻物(10章)を1日3回読み、成功の記録をつけることで「よい習慣」と「成功者の考え方」が身につきます。
【地上最強の商人 あらすじ】
物語の舞台は、2000年前の中近東。
ラクダの世話係のハフィドは若い娘に恋をします。けれど娘とは身分があまりにも違いすぎて、このままでは娘は別の金持ちと結婚してしまいます。あせるハフィド。雇い主である金持ちのパトロスに「商人になりたい」と願い出ます。
パトロスから赤いローブを売ってくる試練を与えられたハフィド。結果、パトロスはハフィドに成功するための秘訣が書かれた10巻の巻物を譲ります。
巻物の教えに従い、ハフィドは大成功します。時は流れ、年老いたハフィドは巻物を継ぐにふさわしい人物を待ち続けていました。
そこに埃まみれの青年パウロが訪ねてきます。ハフィドとパウロを結びつけたのは奇跡でした。
【成功の原理原則を学べる】
仕事や人生で成功をおさめるには「能力」「熱意(やる気)」「考え方」の3つが必要です。
どんなに能力があったとしても、やらなければカタチになりません。しかも一度やるだけでなく、やり続けることが重要です。また仕事や人生で素晴らしい結果を手にしたければ、明るく素直、前向きな考え方をもちましょう。
地上最強の商人には、これら普遍的な成功の原理原則がわかりやすく書かれています。忙しい日常に流されて忘れがちな原理原則を思い出させてくれます。
【10巻の巻物】
読者は、ひとつの巻物を30日間「朝昼晩の3回」読みます。朝昼は黙読で、夜は声をだして読みましょう。
巻物それぞれのタイトルになります。
・習慣
・愛
・成功
・奇跡
・人生最後の日
・感情
・笑い
・価値
・行動
・祈り
【ビジネス書を読んでも成功できない理由】
どんなに良質なビジネス書を読んでも成功しない人がいます。
その理由は、本を読んだことで満足してしまうから。
なによりどんなに「成功する秘訣」を教わっても、実行しないため。実行しても一度や二度、長くて数週間のみ。これでは成功できるわけがありません。
地上最強の商人では、10巻の巻物を10か月継続して読むことで「良い習慣を続ける」ことが身に付きます。
わたしも自宅では地上最強の商人を読み、店や外出先では文庫版の「世界最強の商人」と「その後の世界最強の商人」を1日3回読んでいます。家族との旅行にも持って行って読みます。
なにも旅行先で読まなくても・・・・。あなたはそう思いますか。
巻物を1日3回読む。これは誰かとした約束ではありません。自分にした約束です。守らなくても、さぼっても誰も文句はいいません。けれど自分が見ています。わかっています。
だから読むのです。
【世界最強の商人】
すでに単行本として日本で翻訳出版されていた「地上最強の商人」。
価格が一万円ということもあり、より多くの人たちが手にとることができるよう、新たに山川夫妻が翻訳しなおして文庫本として発売されたのが「世界最強の商人」です。
文庫なので価格も税別520円と買いやすく。訳者が異なること、稲森和夫さんのまえがきと成功プログラムのフローチャートがありません。
「物語」と「10巻の巻物」を読むことができるので、内容はほぼ同じといっていいでしょう。サイズが小さく持ち運びやすいのもいいですね。
わたしは気に入った方やお世話になった方に、文庫本をプレゼントするようにしています。
【その後の世界最強の商人】
1968年に出版された地上最強の商人(世界最強の商人)から20年後の1988年に出版されたものを翻訳したもので、地上最強の商人の続編です。
ハフィドがパウロに渡した10巻の巻物は失われてしまいました。そこでハフィドは「良き人生を送るための10か条の大切な原則」を書き記したのです。
20年という月日。この本は作者であるオグ・マンディーノの経験と人生がこめられ、精神的に深い内容になっています。
巻物のタイトルは
・第一の誓い 自己憐憫、自己卑下をしない
・第二の誓い 毎日の目標をもつ
・第三の誓い 熱く燃えて生きる
・第四の誓い 人と対立しない
・第五の誓い 不運を勝利に
・第六の誓い 常に最善を尽くす
・第七の誓い 今の仕事に全力を尽くす
・第八の誓い チャンスをつかむ
・第九の誓い 一日の反省
・最期の誓い
となっています。
【まとめ】
日本語版のタイトルは地上最強の商人(または世界最強の商人)となっていますが、原題では「商人」が「セールスマン」でした。
セールスマンというと営業マンのように感じる人がいると思います。けれど、わたしたち人間は生きているかぎり誰かとつきあっています。たとえ物やサービスを売っていなくても、自分という商品を相手に売っています。つまり、誰もがセールスマンなのです。
ホビーショップの店主は商人そのもの。人として、商人として成功したければ、この本を1日3回読むことを強くおススメします。
もちろん読むだけでなく、行動に移すこと。行動して継続することを忘れてはいけません。