まんがで身につくランチェスター戦略(店舗経営に役立つ漫画)
ビジネスの世界。とくに販売の方法でランチェスター戦略はあまりにも有名です。
そのランチェスター戦略を実話をベースに、読みやすく、わかりやすく漫画にしたのが「まんがで身につくランチェスター戦略」です。
個人店が大手のチェーン店に勝つためのヒントが満載の一冊といえるでしょう。
【あらすじ】
いとこが事務所を立ち上げ、人手が足りないとアルバイトを頼まれた坂本さやか(大学生 20歳)。そこは探偵事務所でした。
さやかは、顔はイケメンだけど変人すぎる所長の才谷亮(28歳)とともに、以下の7つの事件をランチェスター戦略で解決していきます。
・小さなネイルサロンのオープン戦略
・移動で時間ばかりとられていた営業マンの一点集中とシェア7割
・客を絞り込んで成功した行政書士の話
・経験ゼロの店長が打ち出した、○○のあるうどん屋
・強みは○○だった。弱小留学代理店の3Kの徹底
・勝てるところを攻めて成果をだした顧客管理ソフト会社
・顧客を格付け。営業プロセスを可視化した営業チーム
【ランチェスター戦略とは】
ランチェスター戦略とは、イギリスの航空工学のエンジニア「ランチェスター」が戦争に興味をもち、空中戦をシミュレーションしたことからはじまります。ランチェスターは第1次世界大戦にさいして2つの法則を発表しています。
この法則をアメリカ・コロンビア大学の数学教授が方程式化し、解法も提示しました。じっさいに第2次大戦で大きな成果をあげています。
ランチェスター戦略は机上の空論ではありません。
日本では1960年代に導入され、販売における「弱者VS強者」の戦い方を教えてくれます。
【ランチェスター戦略の基本】
ランチェスター戦略は、小が大に勝つ方法。中小企業が大企業に勝つ方法を科学した、個人の小売店のためにあるような戦略です。
弱者である小売店には金も人も限られています。その限られた戦力をいかに最大限活用するかが重要なポイント。大企業のように物量作戦ができない以上、ライバルとの差別化をするしか手はありません。
弱者が強者に勝つための5つの戦略として
・局地戦(顧客を絞る)
・一点集中(攻撃するところを一つに絞る、売るものを絞る)
・一騎打ち(特定の場所だけを攻める)
・接近戦(直販する。顧客と密なコミュニケーションをする)
・陽動作戦(奇襲。自社の本当の狙いを悟らせない動きをする)
があります。
【その商品にニーズはあるか】
どんな商品でも欲しい人がいなければ売れません。いわゆるニーズ(需要)です。いくらあなたが売れる!と考えても、誰も欲しがらなければ売れません。
一度落ち着いて「この商品にはニーズがあるか」をよく考えてみましょう。
【誰に売るか。明確なイメージをもとう】
誰に何を売るか。ホビーショップでは、あんがい顧客のイメージをしっかりもっていない店主がいます。誰でもいいから来てほしい・・・では、誰もきません。
わたしの場合、40歳の男性会社員。独身または結婚しているけれど美少女フィギュアが大好き。月に1体は買う、といった具合です。
あとは、その人たちに資源を一点集中。誰に売るかが決まっていないと、一点集中することさえできません。
【弱者の基本戦略は差別化】
あなたはトレカショップをオープンさせたいと考えました。調べたところニーズもあるようです。
しかしニーズがあっても、同じ商品を扱うお店はいくらでもあります。ニーズはあっても同じ商品がいくつもあれば、選ぶ権利は客にあります。
安いところから売れていくため、待っているのは値下げによる価格競争です。そこで不毛な価格競争を避けるために、他店との差別化が必要になります。
【あの○○といわれるようになったら差別化は成功】
お客さんにとって、あなたの店名なんてどうでもいいんです。お客さんが知りたいのは、あなたが何を売っているか、何に役立つのか、だけ。
個性のアピールや差別化ができていれば、お客様はあなたの店のことを「あの○○がある店」と呼んでくれます。
ある女優は、名前より「テレビドラマに出ていたドケチの人」と呼ばれることを喜びます。記憶に残っている証拠です。
【強みはありますか】
他店と同じ商品を並べるだけでは、お客様は価格でしか選ぶことができません。同じものなら、安いほうがいいからです。
そこで「あなただけの強み」が必要になります。
お客様はどうせ買うなら「知っているひと」「好きなひと」「あなたに有益な情報を教えてくれるひと」から買いたいと思っています。
・深く濃い商品知識
・プロ級の技
・話術
弱者である個人店は、武器(強み)がなければ生き残ることは難しいでしょう。強みがみつからないうちから開業するのは自殺行為です。
【まとめ】
漫画なので気軽に読め、ランチェスター戦略の入門書としておススメな一冊です。
絵がもうすこし上手だったら・・・と思っているのは内緒(コラ