老後不安がなくなる定年男子の流儀
定年したら好きなことだけやって暮らしたい。
大江英樹さんの「老後不安がなくなる定年男子の流儀 月5万円でも人の役に立って楽しく働ければいいじゃないか」を読みました。
日本人の平均年齢は年々、上昇しています。2015年の日本人の平均寿命は、男性が80.79歳、女性が87.05歳となっています。
もちろん個人差はありますが、60歳で定年すれば20年、65歳で定年しても15年は自分の好きなことをして暮らせるのです。
【老後の不安を解消する方法】
老後には、貧困、病気、孤独という3大不安があります。
しかし、働き続けるかぎり老後はやってきません。
少子高齢化が進む日本では、労働力がどんどん減っています。企業によっては65歳以上のシニアでも喜んで雇ってくれるところも増えてきました。再雇用や転職という選択肢だってあります。
この本では、60歳で定年してから起業することを推奨しています。じつは定年退職後の起業は、若いうちに起業するのとちがってリスクが低いのです。
低リスクの理由としては
・起業して収入がまったくなくても、退職金の蓄えや公的年金があるから生活できる
・毎月の小遣いが稼げればいい
・小遣い程度の収入を目標にすれば、無理をせずにやりたいことができる
が挙げられます。
【定年起業に必要なルール】
定年起業にもルールがあります。もちろん法律に違反しないのは当たり前。
・借金をしない
・規模を拡大しない
・自分のビジネスをする(組織に属さない)
・金のために主義主張を曲げない(嫌な客とつき合わない)
これらは、すべてホビーショップの開業にも当てはまります。
【定年起業の準備】
定年起業を決めたら準備が必要です。大切なのは自分が楽しむこと。
・事業計画書をつくる
・ネット環境を整える
・会計をしっかりする
これもホビーショップの開業では必須の準備となります。
【定年起業でやってはいけないこと】
>>お金をかけすぎない
起業や開業というと「とにかくお金をかけたがる」人がいます。まだ1円も稼いでいない(結果を出していない)のに、立派な事務所を借りたり、家賃の高い一等地の店舗を借りてしまうのです。
起業が成功する、軌道に乗るまでは可能なかぎりお金を使わないようにします。もちろん必要な物に出し惜しみしてはいけません。自宅を事務所にして、立派な事務所を借りるのは儲かってから。店舗であれば、はじめは小さい面積を借りて一人店長でスタートしましょう。
>>自分をコモディティ化しない
コモディティ化とは、一般化してしまうこと。
たとえば、洗剤やシャンプー、歯磨き粉、トイレットペーパーなどの日用品はスーパー、ホームセンター、ドラッグストアとどこにでも売っています。日用品のように他店と商品で差別化できないお店の末路は「価格競争」しかありません。
価格競争で勝てるのは一社のみ。レッドオーシャン一直線です。
ホビーショップであれば、とにかくニッチでオタクなことに徹底的にこだわります。あなたのお店なら在庫がある、あなたの店になければ県内のどこにも在庫はない、くらいの地域一番店を目指しましょう。
仕入れに妥協せず、仕事の質をおとさず、こだわりぬく。
接客であれば「とにかく安く欲しい!」というお客様は他店に行ってもらいます。
好きなことを仕事にするのであれば、自分と商品を安売りしてはいけません。これは絶対に・・・です。
【まとめ】
定年してから起業する。これも起業や開業の方法のひとつです。ただし、あなたが60歳を過ぎても生きているとはかぎりません。ならば今から少しずつ行動しましょう。
インターネット通販を始めてもいい。フリーマーケットで仕入れた商品を売ってもいい。週末だけお店を借りて売ってもいい。正社員で働きながら経験を積む。もしも途中で副業が上手に行くようなら、そこで退職して起業すればいいのです。
好きな商品を仕入れ、ただ並べれば黙っていても売れる。残念ながらホビーショップはそんなに簡単な仕事ではありません。
老後の不安をなくすために起業する。とても素晴らしいことだと思います。ただ定年してから準備をするのでは遅すぎます。
定年後に起業を考えているのであれば、読んで損のない一冊です。