常連客は徹底的にえこひいきする
【常連客(じょうれんきゃく)とは】
常連とは、グーグルで検索したところ「仲間として決まり切った顔ぶれ。特に、その飲食店や興行場にいつも来る客」。そして常連客とは、シソーラスによれば「同じ店をよく利用する上質の客のこと」とあります。
一言でいえば、常連客とは「あなたの店でいつも買ってくれる人」です。英語でいえば、リピーター。
【常連客の定義】
常連客とは、あなたの店でいつも買ってくれるお客様。
勘違いしてほしくない、勘違いさせてはいけないのが「来店した回数が多ければ常連」という間違った考え方です。この考え方ですと、買わないのに長居した困った人間も常連客になってしまいます。
わたしの場合、3回以上買ってくれた人を常連客と認めます。また注目すべきは、累計購入金額。
では、以下のどちらのお客様が店にとっては嬉しいでしょう。ありがたいでしょうか。
・週に一度は来るけれど、買うのは月に3000円くらい
・年に一度しか来ないけれど、3万円くらい買ってくれる
正解は後者。なぜなら購入金額が同じでも、接客する時間は同じではありません。同じ金額を買ってくれるのであれば、来店回数が少ない人のほうが店としては助かります。
【常連客のメリット】
新規の客を捕まえるためには、手間と費用がかかります。けれど、一度あなたのお店のファンになってくれた人に繰り返し買っていただくのに費用はかかりません。
店にとって常連客のメリットは
・売り込まなくても売れる
・あなたが勧めるものは、なんでも売れる
・値引きを言わない
・在庫のロスがなくなる
・知人や友人を紹介してくれる
・頼まなくてもツイッターやブログで宣伝してくれる
・お店の事情がわかっているので、忙しい時などは気配りしてくれる
・好みがわかっているので、ピンポイントに売れる
があります。
一方、お客様にしてみれば
・えこひいき(特別扱い)してもらえる
・楽しい時間が過ごせる
・満足感がある
といったメリットがあります。
新規客を追い続ける集客は疲れます。常連客が多ければ経営も安定し、接客で疲れることもありません。
【常連客の重要性】
80対20の法則(はちじゅったいにじゅうのほうそく)は、100人の社員がいる会社では、その会社の売上の80%を20%の社員がたたきだしている、という考え方です。お店でいえば、2割の常連客が店の総売上の80%を作っています。
お客様は「えこひいき」しなさい! 3倍売れる「顧客差別」の方法によれば、たった3割のお客様が売上の75%を占めている、とあります。
試しに、あなたの店の常連さんが月にいくら購入しているか調べてみてください。この数字が嘘でないことがわかるでしょう。
【常連客の作り方】
3回以上、買ってくれたお客様は特別扱いしましょう。えこひいきします。
美少女フィギュア専門店・限定市場では、常連さんに以下のようなえこひいきをしています。
・○○さんと名前で呼ぶ
・予約を受ける
・ツイッターをフォローして、リツイートやコメントする
・多少の無理をしてでも仕入れる
・ときには利益を無視して商品を仕入れる
・1時間でも2時間でも話の相手をする
なお値引きや割引といった「お金」でのサービスは、店の経営を圧迫するのでやめましょう。ただでさえ利益の少ないホビーショップ。あくまでも精神的なえこひいきが基本です。
【お客様は平等に扱うべきか】
お客様を差別するなんて!平等に扱うべき!
その気持ち、わかります。わたしも基本は平等に接客しています。けれど、買わない人といつも買ってくれる人、あなたの店を本当に応援してくれる、助けてくれているのはどちらでしょうか。
売れなければ店は潰れます。それにいつも買ってくれる人にしてみれば、買わない人間と同じレベルのサービスで嬉しいはずがありません。人は特別扱いしてほしいのです。
あなたからいつも買ってくれる。応援してくれる人を特別扱いするのは当たり前です。
【京都の一見さんお断りに学ぶ】
京都には「一見さんお断り(いちげんさんおことわり)」という考え方があります。お店によっては、初めてのお客さんだけでは利用できません。誰か紹介者がいて、初めて利用できます。
一見さんは、どんな人かわからないから怖い。支払いしてくれるか不安。紹介者が連れてくるくらいなので、変な人ではないという安心感がある。利用料金を立て替えるため、リスクを回避する合理的なシステムです。
ホビーショップでも、一見さんお断りシステムが応用できます。高額な製品を扱っている、マナーが悪く質の低い人間を店に入れたくない、など。子供(精神的・肉体的)を店内に入れたくなければ、アダルトショップでなくても18歳未満入店お断りという手もあります。