ホビーショップのクレーム対応
【返品とは】
お客様が買った商品を返すこと。
ホビーや玩具も工業製品である以上、どうしても不良品やパーツ不足などが発生します。ごくまれに「違うものを間違って買ってしまった」「やはり別の物がほしい」というお客様もいます。
わたしの店でも2008年から営業して、これまでに2回だけ返品がありました。どちらも違う商品と交換(差額は現金にて支払い)でした。
【返品の基本】
不良品であれば商品を受け取り、交換またはお金をお客様に返します。パーツ不足やメーカー対応できる場合は、メーカーに直接連絡して対応してもらいましょう。
「買ったけど、いらない」など、お客様都合での返品は
・レシートが必要
・未開封であること
が基本になります。
お店によっては「購入してから一週間以内のみ返品を受け付ける」という期限をつけてもいいですね。一年経過してから「やっぱり、いらないから返すよ」では困ります。
なお同じ人間がお客様都合の返品(交換なし)を2回以上するようであれば、ブラックリストに入れたり、出入り禁止にしたほうがいいでしょう。
【返品の理由を必ず聞くこと】
レシートがあって、商品が未開封なら即、返品・交換・返金します。
インターネット通販では、海賊版(偽物)とすり替える悪質な人間がいるので、未開封か、中身は大丈夫か、しっかりチェックしましょう。
この時、必ず返品する理由を聞くようにしてください。
【返品はしぶらない】
返品の理由がなんであれ、返品は気持ちよく受けましょう。とくに不良品など販売店側の都合で返品をしぶってはいけません。
気持ちよく返品を受ければ、また買ってもらえるチャンスも生まれます。ここでしぶると二度と買ってもらえなくなるでしょう。
【ホビーショップのクレーム対応について】
クレームは、お店でのサービス内容や商品について。店員の接客態度についての苦情のこと。
クレームは、接客マニュアルの改善などに役立つ場合もあるので、誠意ある対応をします。
製品に問題があれば、まず迷惑をかけたことを謝罪します。あやまるのが先。そして、お客様の言い分をしっかり聞きます。この時、話しをさえぎったり、口を挟まないようにしましょう。
【1円でも安く!な人はクレームになりやすい】
クレーム客になりやすいのは、とにかく1円でも安く欲しいと考えるひと。
または、あまり買わないのに自分だけは特別扱いしてほしいひと。
金持ち喧嘩せずということわざがあります。お金持ちは金銭面だけでなく精神的にも余裕があるのでイライラしません。そして小さなことは気にしなかったり、相手のミスを許してやろうという心の広さがあります。
同じ商品なら安くほしい。その気持ちはわかります。それならばインターネット通販で買えばいいのです。
利益の少ない個人店で値引きをしつこく要求するような人は、はじめからお客様にしないのがトラブルを避ける一番の方法かもしれません。
【販促物の取り扱いについて】
お店にはホビーメーカーからポスターなどの販促物が届きます。たまに「ポスターください」という人が来たりしますが、あげるのはトラブルの元です。
自分が欲しいならまだしも、なかにはオークションで売ろうと考える人もいます。もらったことをSNS(ツイッターやブログ)で公表されでもしたら、「あそこに行けばもらえる」と思われかねません。もらえなかった人からクレームが発生する可能性もあります。
もともと販促物は非売品なので売ることはできません。
また一度も商品を買ったことのない「無料でなんでもクレクレ君」に何かをあげても、お客様になることはありません。
【消えた90分事件】
ホビーショップを経営していると、いろいろな人がやってきます。外見からは「店員と話がしたいだけの困ったちゃん」か「お客様」か、わかりません。
どうしても、こちらは商品を買ってもらえるかもしれないと期待します。フィギュアだけでなく、アニメの話など会話に一時間半ほどつきあい、ようやく買ってもらえる・・・と思った時に事件はおきました。
おもむろにポケットからスマートフォンを取り出した、その男性が言いました。
『この商品、Amazonのほうが安い』
いまさらかよ!(わたしの心の声)。わたしの一時間半(90分)は、一体なんだったのでしょう。すべきこともやらなければならない作業もせずに接客したのに。
とうぜん「それなら最初からお店に来ないで通販で買ってください」「そういうことはもうしないでください」と出入り禁止にしました。ほかにも、さんざん会話をした挙句「金がないので」という人もいました。
買わないなら来るなとか、金がないなら来るなと言いたいのではありません。店は友達の家ではないし、店主は遊びで商売をやっているのではないのですから、買わないのであれば長居するのは迷惑なことに気づいてほしいだけ。
最近では少なくなりましたが、わたしのところには一年に一人くらい「買わないけれど話相手になって」という困ったちゃんがいまだにやってきます。